池田先生の指導です。
投稿者:河内平野 投稿日:2014年 9月 1日(月)17時54分33秒 返信・引用

エジプトには、次のような物語も残っている。
人類最古の物語の一つで、「雄弁な農夫」という話である
一人の農夫が、二頭のロバに小麦を積んで売りに出かけた。
ある王子の領内に入ったとき、突然、王子は家来に命じて、ロバと小麦を取り上げてしまった。

農夫は抗議したが、拒否され、殴りつけられる。
農夫は諦めない。
そこで王の家老に訴えた。
けれども家老の取り巻きたちは、《農夫が王子の領内を通ったのだから、小麦は全部、通行税だ》と理不尽な主張をした。

悪い側近が人の判断を狂わせていく。
歴史にその実例は事欠かない。
農夫は怯まない。怯む必要がなかった。
彼は正しかったからだ。

(中略)

農夫は、悪い取り巻きがいないすきに家老に直訴した。
「強欲とは縁のない奉行さま」
「公正をお守り下さい。それはあなたが賞讃されるのです」と。

家老は王に取り次いだ。
そこで農夫はもう一度、公式に訴えた。
「あなたは弱者の保護者、強盗の敵。私を守って下さい」
「公正の節目をつけて下さい」
「正義はえこひいき致しません」と。

しかし何日たっても、小麦は返ってこない。
農夫は自分の権利を主張してやまない。
最後まで主張した。
いわば《学会精神》をもっていた。

王子の手下に殴られたりした。脅されもしたろう。
権力をちらつかせて、恐れ入らそうともされたであろう。
それでも怯まず、抗議を続けた。

五回目の抗議のさい、家老に向かって言った。
「あなたは、悪行に対して気を配り、悪者を処断し、強盗に立ち向かうのが役目だ。あなたは威張っているが、それでも民は慕っている」
「偉人中の偉人よ、腐敗した輩を皆やっつけて下さい」
「嵐の後、輝く青空のようになって下さい」と。

皆が、その地位を信用しているのをいいことに、ただ安住して、威張っているだけ。
「正義」を明らかにしなければならない肝心なときに、手をこまねいて保身を図る。

それでは、いつまでたっても、「青空」を仰げない。
わが学会の壮年部の皆さまには、こういう人は決していないと、私は信じている。

・・・つづく