「庶民の都」創価学会①

投稿者:河内平野  投稿日:2014年10月 5日(日)12時59分13秒    通報
《すべてのアメリカ人の父》と尊敬されているベンジャミン・フランクリン(一七〇六年―九〇年)。
嵐の日のタコあげの実験でも有名であり、科学者、文筆家、社会活動家、政治家等々、たくさんの顔をもった《万能の人》といわれる。

その彼が「アメリカに来る人々へのお知らせ」という文章を書いている。
当時、ヨーロッパをはじめ世界から、新天地アメリカへ、人々が押し寄せようとしていた。
「アメリカはどういうところか」――フランクリンは人々に、その基本を教えたのである。

また、「こういう人々に来てほしいのだ」というアピールでもあった。
皆さまは、これからアメリカにも、どんどん行かれるであろうゆえに、紹介しておきたい。

彼の「お知らせ」の核心を要約すると、アメリカは「名門の人、お断り」だという。
「よかった」と安心した人も多いかもしれない。

「ヨーロッパでは名門は価値があるが、この商ひん(名門という家柄や権威)を運ぶにアメリカほど不利な市場はどこにもない。アメリカでは他人のことを『あの人はどういう身分か?』とは聞かないで、『あの人は何ができるか?』と聞くのである」(『アメリカ古典文庫1 ベンジャミン・フランクリン』所収、研究社出版)と。

そして、アメリカにとって「名門」とは、何世代にもわたって「なんら価値あることをせず、無為に他人の労働に寄食する、単なる穀潰し、あるいは碌でなし」を続けてきた人々であるとみていた。

自分は苦労もしないで、必死に働いている人々の金を吸い取り、遊び暮らしている――それが貴族だ、最低だというのである。

《働かない人間は、アメリカにはいらない》。
フランクリンの言葉は、強く鋭く、人間の傲り、安易な生き方を弾呵してやまない。
広宣流布の世界、仏法の世界にも、価値なき《特権階級》《貴族》はいらない。

さらに、フランクリンは、「アメリカ人はその祖先や親類が、十世代ものあいだ、農夫、鍛冶屋、大工、ろくろ師、織工、皮なめし工、あるいは靴直しでさえあり、したがって社会の役に立つ一員であったことがわかった」方が、身分ばかり高くて、無為徒食の連中よりも、ずっと尊敬されると言っている。

【第十三回関西総会、第五回兵庫県総会、常勝の花満開総会、県・区代表幹部会 平成三年十月十六日(全集七十九巻)】