2016年7月15日 投稿者:大仏のグリグリのとこ 投稿日:2016年 7月15日(金)09時18分54秒 通報 では、つぎに五逆罪の一つである〝父殺し〟を犯した阿闍世王について見ていきます。 阿闍世(アジャセ)はマカダ国の王(ビンバシャラ)と夫人(イダイケ)の間に生まれた 王子で、釈尊在世から滅後にかけて存在し、のちにマカダ国の王になった人物です。 父であるビンバシャラ王は釈尊が出家の道を選んだ時、釈尊を尋ねて出家を思い止まり、 釈尊の父である浄飯王のもとに帰ることを勧めましたが、 釈尊の志が固いことを知り、かえって尊敬の念を抱いて、釈尊が成道した後に 化導してくれるように懇願したほど信仰心のある父王でした。 そして釈尊が成道すると即座に帰依し、竹林精舎を建てて供養しました。 そのほか霊鷲山の頂上に通じる石段を造ったとも伝えられています。 しかし息子である阿闍世は、当時、釈尊に対抗して教団を分裂させ、 新教団を組織していた提婆達多に心を寄せていました。 提婆達多は自分のところに供養の品を持ってくる阿闍世王子の心を 巧みに利用し、王子をそそのかして逆心を起こさせます。 そして、父を殺し、早く王位について新王になることを勧め、 提婆達多も自ら釈尊を殺して新仏になろうと画策したのです。 そそのかされた阿闍世は、父である王を捕え、幽閉して食物を与えませんでした。 こうして阿闍世は自ら新王になったのです。 Tweet