投稿者:無冠 投稿日:2016年 7月16日(土)01時31分31秒   通報

全集未収録のスピーチ144編の各抜粋(聖教新聞 2006.5~2010.4)を掲示します。

2006-6-4【創価教育代表協議会】
■私は恩師・戸田先生のもとで10年間、毎朝のように、万般の学問を打ち込んでいただいた。
 それだけではない。折に触れて教えていただいた人間学、指導者論は、数知れない。
 たとえば、真心こめた一本の電話、一つの伝言の大切さ。思いがけず、かけられた、温かいねぎらいや励ましの言葉が、どれほどうれしいか。
 これが一流の人物の外交戦なのだよと先生は教えてくださった。
 一面から言えば、先生ほど口やかましい人はいなかった。お茶のいただき方など、基本の礼儀にいたるまで、一人ひとりの青年を徹底して訓練してくださったのである。
 すべて、未来に向かっての平和と文化の大闘争のためであった。
 この偉大なる師匠ありて、今の私がある。

●深き愛情を胸に
 一、先日、“精神の大国”インド随一の英知の城である「国立タゴール国際大学(ヴィシュヴァ・バーラティ大学)」の先生方をお迎えした。〈5月29日、同大学から池田名誉会長に「名誉文学博士号」が授与された〉
 創立者タゴールは語っていた。
  ── この大学は、学生のものである。師匠と弟子の合同事業、学生と学生との協同作業によって完成されるものである、と。
 大いなる理想を目指して労苦を惜しまぬ、師弟の絆、学友の絆それ自体に大学があるというのである。
 創価大学の掲げる「学生参加」「学生第一」の理念と、深く通じるものがある。
 1901年、シャンティニケタンの地に学園を創立してから、タゴールは、最愛の妻と愛娘、敬愛する父、そして息子を相次いで失った。そうした悲しみにも耐え、タゴールは学園建設に尽力していった。
 タゴールは深い愛情をもって、学園生を育成していったのである。それは、学生たちに、そのまま伝わっていった。
 タゴールは、うれしそうに振り返っていた。
  ── 学生たちも、母校に対して切なる愛情を持つようになった。
 卒業した後も、機会の許す限り、母校を訪ねてくれるようになったのである、と。
 創価大学、創価学園にも、卒業生が、わが家に帰るがごとく舞い戻ってきてくれる。
 創価同窓の友が、母校を愛し、母校を誇りとして社会で活躍し、後輩たちの道を開いている様子も、毎日のようにうかがっている。
 “自身の勝利の姿で、母校の発展に貢献したい” ── 多くの卒業生が、こうした心意気で奮闘してくださっている。そして折あるごとに、活躍の様子を報告してくださる。
 私は、その「心」がうれしい。
 青春の誓いに生き抜く人は、必ずや最高の勝利の人生を歩んでいける。多くの卒業生が、このことを見事に証明してくださっている。
 〈タゴールの言葉は北昤吉 訳『古の道』プラトン社を参照した〉