投稿者:まなこ 投稿日:2015年11月 5日(木)18時04分40秒   通報
§陀羅尼品§
「広宣流布の『人』を守ります!」
■ “守護の功徳”の莫大を説く

名誉会長: あれは昭和35年(1960年)の七月だった。
水滸会(人材グループ)の野外研修をした。千葉県のお犬吠埼です。それは、この地の「灯台」のように、全民衆を照らしてほしかったからです。
戸田先生逝いて二年余。私は会長になったばかり。幹部も皆、若かった。私は、戸田先生の精神を永遠に伝えておきたかった。自分は、いつ倒れるかわからない。後を継ぐ青年に、魂を託したかった。
夜、「かがり火」を焚いた。赤々と燃え上がる火を、青年たちが円陣で囲んだ。電灯の明かりを使おうと思えば、それもできた。しかし、私は、あえて「かがり火を焚きなさい」と言った。なぜか。この「かがり火」こそが、我々自身なのだと教えたかったのです。「自分自身を燃やしきって、民衆を照らしていくのだ!」と。
指導者の —- 幹部の「信心の炎」が燃えているかぎり、全学会員が、その光を目指して、安心して前進できる。燃え上がる「正義の炎」を目指して、全日本の民衆が、いな世界の民衆が、希望を求めて集まってくる。必ず、その日が来る。
この水滸会の「かがり火」が燃えているかぎり、学会精神の炎が燃えているかぎり、必ず広宣流布はできる。そういう意義を教えたかった。その後、期待通りに、まっすぐ生き抜いた人もいる。誓いを裏切った人間もいる。
今、私は再び、「信心の炎を燃やせ!」と叫びたい。そこにしか、生きた仏法はないからです。「仏法」といっても「人」です。人の「信心」です。それ以外、まったくよそに求むることなかれです。「信心」の炎が、創価学会に燃えているかぎり、人類を救う「広宣流布」の聖業は進む。どれほど尊い存在か。どれほど命をかけて守るべき学会の組織か。
「炎」が消えたならば、未来はまっ暗です。そして、「炎」を消そうとして、ありとあらゆる障魔の大風が襲ってくる。しかし「大風吹けば求羅は倍増するなり」(御書 p1136)と日蓮大聖人は仰せだ。
求羅という虫は、風を得て大きくなり、一切を飲みこむと言われている。そのように、障害があればあるほど、いよいよ「大いなる炎」を燃やして進むのです。
小さな火なら、風に消える。大きな火なら、風で更に勢いを得る。
広宣流布は、永遠に闘争です。善と悪との大闘争です。仏と魔との合戦です。
そして、「陀羅尼品」(第二十六章)とは、仏の胸に燃える「広宣流布への大情熱」を見て、菩薩が、諸天が、鬼神までが、「私が、その大闘争を守護いたします! 広宣流布の実践者を全生命をかけて守ります!仕えます!」と、次々と誓いを述べた。やむにやまれぬ思いの熱気が、霊鷲山を包んだ。そういうドラマです。
では、概要を見てみよう。
■ 題目の力は仏にも量り知れない

斉藤: はい。陀羅尼品では冒頭、薬王菩薩が釈尊に質問します。「法華経を受持し、読誦し、勉強し、書写する功徳はどれくらいでしょうか」と。
すると釈尊は、それには答えず、反対に薬王に質問します。
「もしも八百万億那由佗のガンジス河があって、その河のすべての砂と同じ数の諸仏を供養したとしたら、その功徳はどうだろうか?」薬王は「それは、とてつもなく大きい功徳です」と答えます。
釈尊は「いいかね、法華経の一つの偈でも受持し、読誦し、信解し、修行したら、その功徳は、これらの諸仏を供養したように、とてつもなく大きいのだよ」と教えるのです。
須田: 法華経の一つの偈を信受しただけで、無量の諸仏を供養したのと同じ功徳を得る —- 考えてみたら大変なことです。

名誉会長: それはなぜか。法華経こそが、無量の諸仏を生んだ「根源」だからです。なかんずく文底の「南無妙法蓮華経」の一句こそ、一切諸仏を生んだ根源であり、少しのまじり気もないエキス、原液そのものです。

遠藤: 本当に、すごい仏法です。

名誉会長: だから、題目の力を、自分の小さな境涯で、「このくらいだろう」と推し量ってはならない。その功徳は、仏でも知り尽くすことができないと言われている。
いわんや凡夫が勝手に決めつけるのは、増上慢です。御本尊の無量の功力を小さく見てしまう「弱い信心」であっては、御本尊の力も小さくしか出ない。戸田先生は、よく豊島公会堂で「私の受けた功徳を、この公会堂の大きさとすると、皆さんのは小指くらいだ」と言われていた。
今は、経済も大変だ。私は、だからこそ、今こそ、皆さんに「大功徳」を受けてもらいたい。くめども尽きない「大福徳」を得てもらいたい。
────────────────────────────────────────
陀羅尼品から

仏、薬王に告げたまわく、
若し善男子、善女人有って、八百万億那由佗恒河沙等の諸仏を供養せん。汝が意に於いて云何。其の所得の福、寧ろ多しと為んや不や。
甚だ多し、世尊。
仏の言わく、
若し善男子、善女人、能く是の経に於いて、乃至一四句偈を受持し、読誦し、解義し、説の如く修行せん、功徳甚だ多し。(法華経 p638)

仏が薬王菩薩に告げて言われた。
「もし、善男子、善女人がいて、八百万億那由佗恒河沙等の多くの仏を供養したとしよう。あなたの考えではどうだろうか、それによって得る功徳は多いと思うか、そうではないと思うか」
「非常に多いと思います。世尊よ」
仏が言われた。
「もし、善男子・善女人が、この法華経において、たとえ四句から成る一偈だけても、受持し、読誦し、意味を理解し、経に説くままに実践したならば、その功徳は非常に多いのである」
────────────────────────────────────────
斉藤: 薬王菩薩も、問答を聞いていた人々も、法華経の大功徳に感動しました。
薬王は、こう誓いいます。「仏さま! 私は、この尊き法華経を弘める人を断じて守護してまいります!」。そして、その人を守るために「陀羅尼呪」を贈りますと言って、呪文のようなものを唱えるのです。

遠藤: 「安爾、曼爾、摩禰、摩摩禰、旨隷、遮梨弟、シヤ(貝偏に余の中が示)ミヤ(口偏に羊) —- 」(法華経 p639)云々というのですが、意味はさっぱりわかりません(笑い)。

名誉会長: 「陀羅尼」については、後で説明することにして、薬王は、こう言うのだね。「もしも、法華経を弘める法師 —- 広宣流布をする人です —- を迫害し、そしる者がいるならば、これはすなわち諸仏を迫害し、そしる人間である!」と。

須田: それを聞いて、釈尊が讃めます。
「素晴らしい、素晴らしい。薬王よ、あなたが弘教者を守護することによって、実に多くの人々が、大変な利益を得るだろう!」

遠藤: つまり、“広布の実践者”を守ることによって、“人類に大利益を与えよう”ということですね。

名誉会長: そうです。“広布の実践者”とは、今で言えば、創価学会です。また創価学会の同志です。学会と学会員を守るということが、人類を守ることになる。人類に大利益を与える「妙法」を弘めているのだから、「人類の宝」の存在です。独善で言うのではない。傲慢で言うのではない。法華経が、そう説いているのです。
ありがたいことだ。じつに、ありがたい。この尊い自分の使命を「自覚」できるか否か。それで人生は百八十度、変わる。