2015年11月1日 投稿者:まなこ 投稿日:2015年11月 1日(日)10時23分16秒 通報 ■ 「マイナス情報」を聞く 名誉会長: 「マイナス情報」を喜んで聞けるかどうかが、指導者か独裁者かの分かれ目ではないだろうか。 独裁者というのは、威張っているが、じつは気が小さい場合が多い。だから人の意見が聞けない。 遠藤: 「マイナス情報」に耳を貸さずに失敗した例は歴史上、数え切れません。 須田: それだけで何百冊もの本になるでしょうね(笑い)。 遠藤: 大聖人の時代の例でいえば、蒙古襲来が失敗に終わった原因も、蒙古(元)の皇帝・フビライに本当の情報が入っていなかったからという説もあります。 つまり、フビライの側近は、彼の怒りを恐れて、「日本には蒙古に従う意思が当初から全くない」こと、また「日本遠征用の船を集めるのには膨大な労力が必要である」という本当の情報を伝えなかった。たんに、「日本と中国を隔てる海が荒い」という消極的な理由の反対意見しか言わなかった。それでフビライが無謀な遠征を起こす結果になってしまったというのです。 須田: 優れたりーダーは共通して、マイナス情報が耳に入るように留意しています。 中国の唐の第二代皇帝・太宗は優れた政治を行い、彼と臣下との問答が「貞観政要」という本にまとめられています。 名誉会長: 有名だね。指導者の必読書といわれた。 須田: どうして、そんな善政ができたかというと、要因のーつとして、「マイナス情報を積極的に集めるシステム」を作ったからと言われています。「諌議大夫」といって、皇帝や政府の過失を積極的に指摘するポストを作り、人々が安心して厳しい意見が出せるようにしたのです。 名誉会長: マイナス情報は、黙っていたのでは、リーダーの所まで上がってこない。だから、リーダーのほうから、それをさがすくらいの姿勢が必要です。 斉藤: 日本の歴史でも、九州・博多の「黒田藩」は有名です。黒田藩には「異見会」という非公式の会議があって、この場に限っては、たとえ藩主に対しても何を言ってもよいという慣習があったそうです。 封建時代に、こんな制度があったことは驚きですが —- 。 名誉会長: もちろん、意見の中には、見当はずれのものも多いかもしれない。しかし、この人がこういう考えを持っているという事実自体が、貴重な判断の要素となる。 たとえ厳しい意見でも、喜んで聞いていく度量がなければ、指導者失格であるということを確認しておきたい。 その意味では、観音品は指導者論としても読むことができると思う。 斉藤: 「聞き上手」の指導者ですね。 Tweet