投稿者:まなこ 投稿日:2015年10月31日(土)17時58分31秒   通報
■ 「普く」開かれた「門」に入れ

斉藤: 観音品は、正式には「観世音菩薩普門品」。
「普門」とは「普く」開かれた「門」です。だれでも入れる。だれでも受け入れてくれる。狭き門ではない。広々と開かれた門です。

名誉会長: 一切衆生だれでも、悩んでいる人がいれば、その悩みの「世音」を「観」じるのが観世音です。
指導者は、人の話をよく聞かなければならない。
特に男性は、女性の話を丁寧に聞かねばならない。「そうですか、そうですか」「よかったですね」「素晴らしいですね」と謙虚に聞かなければ幹部失格、男性失格です。
「聞かない」「うるさい!」じゃ、だめなんだ。なかには、話し出したら止まらない女性もいるけれども(笑い)。

遠藤: 女性にかぎらず、男性の話でも、グチとしか思えないこともありますが —- 。

名誉会長: 末法は「愚癈の衆生」です。
聞いてあげるしかない。「聞く」ことが修行です。また皆が何でも言いやすいような「雰囲気」をつくることも大事だ。“鬼も近づかない”ような恐い雰囲気では、どうしようもない。

須田: 政治家でも経営者でも、優れたりーダーは、人の意見に耳を傾けていますね。

名誉会長: 日本で言えば、松下幸之助さんを思い出す。
「自分は学問がないから」と言われて —- じつは大変、博学な人だったのだが —- よく人の意見を聞かれた。
それも現場で苦労している人の意見に耳を傾けたことで有名です。

須田: たとえば新製品を発売して「不評だ」と知ると、直接に工場に出向いて原因を技術陣とともに検討した。品質に問題がないとなると販売店に出向き、さらに消費者にまで会って、原因を自ら追究したということです。
人から「あなたの地位ならば、担当の技術者や販売責任者を呼べばよいではないか」と言われると、「私が部下を呼んだら、部下は恐れて、私のところに来る前に解答を用意してくるでしょう。私のご機嫌を取るために、飾った報告をするかも知れない。私は予備知識がないから、その解答をうのみにする以外にない。それを恐れる。だから自分のほうから出かけるんです」と。〈三鬼陽之助著『決断力』光文社〉

斉藤: さすがですね。人の意見でも、都合のいい話は聞きやすいですが、いわゆるマイナスの意見を聞くことは難しい。自分にとって苦い意見は遠ざけがちです。