投稿者:京都乃銀鬼 投稿日:2015年11月19日(木)15時38分12秒   通報

学会執行部に天魔が入るなどありえない、という問題に対して前号で第5代秋谷会長の懺悔(※五月三日へ私の誓い)の記事を紹介した。

秋谷前会長は「会長職を25年もやらせていただきながら(中略)まことに、
ふがいなく、申しわけない限りである。(中略)二度と再び、あの敗北の弟子の姿であってはならない」

と、執行部の敗北を認めたことによって池田先生が存命中にもかかわらず、仏法の「正邪」ではなく
学会組織の「秩序」を守るために執行部が3代会長を排除(辞任)した歴史が明らかとなった。

では2006年11月、第6代原田会長が就任してから学会最高幹部はどう変わっていったのか。
良くなったのか悪くなったのか――少し検証してみよう。

原田副会長が第6代会長に就任した翌年の2007年(平成19年)5月、とんでもない事件が発覚した。
いわゆる「NTTドコモ事件」である。

この事件は2002年(平成14年)3月から4月にかけて、
根津丈伸(当時全国副青年部長・創価大学職員)の指示を受けた嘉村英二(当時ドコモシステム職員)が、
NTTドコモの管理する顧客システム・明細システム・料金システムなどに数回にわたって不正アクセスし、
乙骨正生ほか友人2人、計3人の顧客情報・通話記録などを調べ、その記録の多くを自分のパソコンにコピーし、盗み出していた事件。

乙骨正生はいわずと知れた自称ジャーナリストで、創価大学在学中に一家揃って学会を脱会した退転者。
乙骨は、携帯電話の通話記録に不正にアクセスされたことで多大な被害を受けたとして、
根津・嘉村・創価学会・創価大学・NTTドコモを相手取り、損害賠償を求めていた。

この裁判で東京地裁は平成19年5月29日、根津・嘉村・NTTドコモの三者に対して賠償金を支払うよう命ずる判決を下した。
東京地裁は判決の中で、問題の犯行は嘉村が個人的趣味から行ったものであるとの被告側の主張を一蹴した。

その理由を4点挙げたうえで
「被告嘉村は、被告根津の依頼または指示に基づき、本件不正アクセスを実行したものというべきである」としている。

一方、創価学会の関与および使用者責任については「本件不正アクセスは当時、創価学会の全国副青年部長であった根津が、
創価学会に入会している嘉村に依頼して実行されたものである以上、創価学会にとって、原告は批判の対象になっていたことがうかがえる」

とし「嘉村がS籐(妙観講)の関係でも不正アクセスしていたことからすると、
嘉村とS籐との間には、何らの個人的関係は認められないから、
嘉村が個人的趣味でS籐の携帯電話に関するシステムにアクセスしたものとは考え難く、
S籐の携帯電話に関するシステムへのアクセスについても他人からの依頼に基づくものであることがうかがわれる」

と認定はしたものの創価学会による不法行為、使用者責任を認めるにはいまだ足らないとして、
創価学会(創価大学も同様)への請求は退け、三者(根津・嘉村・NTTドコモ)に対してのみ損害賠償を命じた。

創価学会に対して法的責任を問うまでには至らなかったが、この判決を見るかぎりでは創価学会の組織関与や責任はグレーであり、
むしろ学会抜きでは嘉村の犯行に完全な説明がつかないことは明らかである。

根津と嘉村の関係は、創価大学を通じた縁で先輩と後輩という関係に加え、
嘉村は創価大学在学中に大学職員であった根津に世話になったという深いつながりがあった。

さらに不正行為を指示した根津は全国副青年部長、
指示をうけた嘉村は男子部員という学会内では絶対的ともいえる「地位」のちがいがあった。

要するに、嘉村がNTTドコモで働いていたことに加え、
創価大学を通じて培われた人間関係に組織内での上下関係が作用して、初めて今回の事件が発生したといっても過言ではない。

では一体、学会の「誰」に指示されて根津は嘉村に不正アクセス行為の指示をしたのかという疑問が出てくる。
根津が宗門との戦いにおいて行き過ぎた問題があったにせよ、本当に根津は個人的に不正アクセスを嘉村に依頼したのだろうか。

この事件に関して、当時青年部の中でちょっとした”異変”が起きていた。
実はこの事件を境にして当時全国総合青年部長だった佐藤ヒロシが聖教新聞紙上からピタリと顔を出さなくなったのである。

それまでは新聞紙上の座談会で学会と対立する人物や政党に対しては容赦なく破折していたが、
NTTドコモ事件が発覚した直後の5月30日、この紙上座談会は突然に「完」――。

そして、一ヵ月以上のブランクのあと7月1日より紙上座談会「人権と平和と社会を語る」が開始されたが、
全国総合青年部長の姿は忽然と消え、以後「聖教」紙上で佐藤ヒロシの姿や発言を見ることはない。

全国副青年部長の根津が犯罪を犯したがゆえに、その責任を負って「身を引く」というならよくわかる話だが、
佐藤ヒロシが姿を消したのは、まだ事件の犯人が突き止められていない5月の段階なのだ。

ということは、あらかじめ佐藤を外しておかなければならない引責以外の「何か」が本部にあったのだろうか。
NTTドコモ事件の陰にかくれた真相とともに、佐藤が表舞台から失脚した理由が明かされる時がくるのだろうか。

ともあれ、学会幹部は「池田先生と執行部は一体だ」と常に言う――。
しかし、こんな妄想を信じている幹部は《54年問題》の本質を理解していない無知な幹部だと思う。

開目抄には「第一の無知の人とは、第二の悪世の中の僧と第三の高僧の教えを信じている大檀那(布施をしている信者)のことである。
妙楽はこれを『俗衆』と名づけ、その弟子の智度は『役所に従う』等云々」(通解226㌻)とある。

※参考資料として2002年(平成14年)9月15日付、聖教新聞4面に掲載された記事を紹介します。

「職員の不祥事でおわび」創価大学 岡安理事長 (全文)

他人の携帯電話の通信記録を不正に引き出したとして、二人の創価大学職員が逮捕された事件について、
創価大学の岡安理事長から次のような談話が寄せられた。
本学の職員2名が9月11日に違法な手段により他人の情報を入手し、逮捕されるという事件が発生しました。
今回の件は大学職員として絶対にあってはならないことであり、学生、卒業生、保護者の皆様をはじめ、
大学を支援してくださっている多くの方々に多大のご迷惑をおかけしましたことにつき、大変に申し訳なく思っております。
大学としては調査委員会での調査をふまえ、厳正な処分をしていく所存です。
今後、職員の綱紀粛正をはかり信頼回復に努め、大学の建設に全力を尽くしてまいります。