2015年10月3日 投稿者:まなこ 投稿日:2015年10月 3日(土)12時44分58秒 通報 ■ 希望の歌声よ あの人に届け! 名誉会長: 仏法は柔軟です。生命のあらゆる可能性を見つめながら、この現実の地球においては、何が大事なのかを洞察している。地球の衆生は「耳根」が大事なのです。 例えば人間の五官の中で、耳は一番早く活動を始め、一番遅くまで活動する器官とされる。胎内の赤ちゃんは、ほぼ六カ月で、聞く器官と神経ができ上がり、「生まれた時には、すでにお母さんの声を覚えている」と言われる。 牧口先生は「子どもは、お腹にいる時が一番の安住の所です。その時、信心することが子どもにとって幸いになります」と指導された。お母さんの唱題の声も、ちゃんと聞いているんです。もちろん、夫婦げんかの声も聞いている(笑い)。 妙音を聞かせていくことが大切です。また死が近づいた時も、耳は最後まで機能している場合が多いと言われる。 遠藤: たしかに、目や口は閉じても、耳は常に開いています。 名誉会長: 耳は、小宇宙から大宇宙に向かって開かれた「生命の窓」なのです。 また、そこから、命の奥底にまっすぐに入っていける「魂への門」なのです。音楽が、生命の深みを揺さぶるのも、この力です。 斉藤: 白樺グループの方の体験をうかがいました。 彼女が働く病院に、あるとき、末期のガンで入院してきたKさんという方がいました。 四十代の若さでしたが、日に日に状態は悪化していきました。 彼女は、信仰していないKさんに「最後の最後まで最高の人生を送ってもらいたい。今世で仏縁を結んでもらいたい」と祈りました。そして、「聴覚は最後まで残る」という言葉を思い出し、学会歌をテープに入れてプレゼントしたのです。 それから数日後、Kさんは亡くなったのですが、Kさんのお母さんが彼女にこう言ったのだそうです。「最後に看護婦さんからもらったテープを聞いて、この子、涙を流していたんですよ」と。 須田: もう、かなり容体が悪くなられた時ですね。 斉藤: ええ、それでも聞こえていたようです。 次の日、Kさんの奥さんから彼女に電話がありました。「主人が涙を流して聞いていたテープを、葬儀に使わせてもらいたい」とのことでした。彼女は、自分の思いがKさんやご家族に通じたことを確信しました。「心を打つものは、やはり心である」という池田先生の指導の通りだと思ったそうです。 名誉会長: その「心」を「浄化」するのが「六根清浄」の根本です。「意根清浄」です。ともかく「耳根得道」なのだから、「語る」ことです。「声を出す」ことです。広宣流布の「声」を聞かせていくことです。 温かい励ましの声。鋭い破折の正義の声。力強く呼びかける声。そして喜びの歌声。 「音も惜まず」(御書p504)と大聖人が仰せのように、広宣流布は、民衆の声が一波から万波へと広がって進んでいくのです。 また「耳根清浄」なのだから、民衆の大地に耳をそば立て、耳を押しつけるようにして、庶民の声を聞いていかなければならない。一方通行では「耳根」は働いていない。清浄でなく汚れている。 遠藤: 民衆が耳もとで叫んでも、何も聞こえないような政治家もいます(笑い)。 ■ 努力の人には「努力の香り」が 斉藤: あとは「鼻根」については、「是の法華を持たん者は 香を聞いで悉く能く知らん」(法華経p551)等とあります。あらゆる香りを嗅ぎ分ける力を説いています。 須田: 通常、人は数千種を嗅ぎ分けるそうですが、香水の調香師になると一万種ともいいます。 名誉会長: 昔から日本には「香道」という文化があった。香料や香木をたいて、香りを味わうのです。どういう香料がブレンドしであるかを嗅ぎ分けたり、香りの優劣を競う競争もしたらしい。 「香を嗅ぐ」ことを「香を聞く」と言って「聞香(ききこう、ぶんこう)」とも言った。 斉藤: 経文にも「香を聞いで」と、「聞く」の字が使ってあります。 名誉会長: 法華経は日本文化の基礎ですから、昔の文化人は当然、法華経を何度も読んでいたのです。 ともあれ、その人には、その人ならではの香りがある。香水とか体臭とかではなくて、「心の香り」「生命の香り」がある。 一心不乱に勉強し、努力し、向上している人には「努力の香り」がある。「鍛錬の香り」が、若木の香気のように、かんばしく匂ってくる。 反対に、堕落した安逸な生活をしていれば、何となく全身から、いやな腐臭のようなものがこぼれてくる。恐ろしいものです。 須田: それがわかるのが「鼻根清浄」ですね。 Tweet