2015年8月12日 投稿者:まなこ 投稿日:2015年 8月12日(水)12時43分12秒 通報 ■ 太陽は天の蓮華、蓮華は地の太陽 遠藤: はい。まずエジプトでも、蓮華が太陽と関連づけられています。 花びらが放射状に開いていることから、太陽光線と似ていると考えられたのでしょうか。さらに、朝、花を開いて、夕方までに閉じることからも、太陽と密接に結び付けられたようです。 須田: エジプトの神話では、夜、蓮華の花冠が「太陽の揺籃」となり、夜明けになると、太陽に新しい生命を与えると考えられていたようです。 名誉会長: 太陽は、どこの地域でも、無限の生命力の象徴だね。また、沈んでも翌朝にはまた昇るので、“復活の象徴”“永遠の生命の象徴”と考えられていた。 斉藤: それで、永遠の生命、復活を願って、蓮華をミイラの上に乗せたり、葬式に使ったりしたようです。エジプトの伝承には、“原初の水から生じた蓮華が開くと、世界を創造する美しい子ども、すなわち、生まれたての太陽が出現した”とあるそうです。 須田:また、ペルシャ人も蓮華を「太陽の化身」と考えました。一方、太陽神を“光の衣”と“蓮華の王冠”を身につけた姿で描いています 名誉会長: 古代オリエントでは、蓮華は「地上の太陽」であり、太陽は「天井の蓮華」だったのだろう。 蓮華は、聖なるものを生み出したり、内に秘めているものだった。じつに聖なる植物だったのだね。 斉藤: インドでも古くから、蓮華は聖なるものを生み出すとされています。先ほど話に出た「千葉の蓮華」は、その代表です。 古い伝説によれば、宇宙の創造をこう述べています。 —- 元初には、宇宙に水だけしか存在しなかった。その水の中からハスの葉が浮かび、「太陽のように金色に輝く千葉の蓮華」が浮かびあがった。その中に宇宙の創造者・梵天が生まれた —- と。この蓮華は、「黄金の母胎」と考えられています。 須田: 「黄金の母胎」とは、最古のバラモン経典『リグ・ヴェーダ』に出てくる万物の根源ですね。万物を胎児として内に具え、生み出すものです。 遠藤: 蓮華の花托もサンスクリットでは、母胎・子宮を意味する「ガルバ」という名前で呼びます。「種子を育む」ところから名づけられたのでしょう。また、「黄金の蓮華」は、太陽の象徴とされています。 斉藤: この「黄金の千葉の蓮華」のイメージは、仏教でも使われています。 舎衛城での奇跡の話では、“ナンダ竜王とウパナンダ竜王が、車輪のように大きく、茎は宝石でできた「黄金の千葉の蓮華」を創り出し、釈尊に差し出した”とされています(『ディブヤーバグーナ』)。 Tweet