投稿者:まなこ   投稿日:2015年 8月 9日(日)18時50分20秒     通報
■ 「ハス」と「スイレン」

名誉会長: それでは、少し三人をテストしてみよう。みんなは、いつも試験をみる側だから、たまには試験されるのもいいだろう(笑い)。
まず、蓮華といっても、ハスもあればスイレンもある。どういう関係になるのか?

遠藤: はい。蓮華は、植物学の分類で、ハスとスイレンに分かれます(スイレン科のハス属とスイレン属)。
スイレンは、漢字では「睡る蓮」 —- 「睡蓮」と書きます。スイレンには昼咲きと夜咲きがありますが、時間がくると、咲いていた花を閉じて「睡っているみたい」だからです。

斉藤: ヒツジグサというのがあります。日本に自生していた(もともと繁殖していた)スイレンですが、未の刻、つまり午後二時ごろに開くところから、「ヒツジグサ」と名づけられたようです。

遠藤: 日が沈むと閉じて「睡ってしまう」わけですね。

須田: ハスも、夜明けごろに開き、午後には閉じるようです。

名誉会長: ハスとスイレンには、似ているところも、違うところも、いろいろあるね。形の上ではどうだろう。

須田: ハスの場合、茎とか、蓮根(地下茎)には、穴が通っています。蓮根には節がありますが、この節から葉や花が出てきます。水面から離れたところまで生長して、蕾は花開きます。その後も、そのまま空気中で実がなります。
これに対して、スイレンには、茎にも根にも穴は通っていません。地下茎はサツマイモのようで、ぎっしり詰まっています。花も水面に浮かんで咲き、花がしぼむと水の中に沈んで実がなります。

斉藤: 仏法でいう蓮華には、「ハス」も「スイレン」も含まれます。ただし、妙法蓮華経の蓮華というのは、「ハス」なかんずく「白いハス」のことです。

名誉会長: それでは、ハスやスイレンは何種ぐらいあるのだろうか?

遠藤: 植物学的には、ハスには二種しかありません。アジア・オセアニアに分布するハスと、北アメリカのキバナハスです。一方、スイレンは、世界中に約四十種もあります。その多くは熱帯性です。温帯性のものは、地中海周辺の原産の白いスイレン(ユーラシア大陸に広く分布する)、日本のヒツジグサなどです。

須田: 南米・アマゾン河流域には、オオオニバスがあります。これはスイレンの一種です。小さな子どもなら、その葉の上に乗っても水に浮いています。

名誉会長: そうだったね。ヨーロッパにも蓮華はあるのかな。

遠藤: 先ほど述べた白いスイレン(地中海周辺の原産)は自生するようですがハスは自生していないようです。化石としてはありますが。