投稿者:まなこ   投稿日:2015年 8月 9日(日)11時48分50秒     通報
§従地涌出品§(2)
「蓮華の文化史」を語る
■ 生命の法を「蓮華」が象徴、東西文化を結ぶ「蓮華の道」

斉藤: 今回は、従地涌出品の二回目です。涌出品では、地涌の菩薩のことを「如蓮華在水(蓮華の水に在るが如し)」(法華経 p492)と言っています。蓮華に譬えて称賛しているわけです。そこで、今回は、涌出品を深く理解するためにも、「蓮華」に焦点を当てて、語っていただければと思います。

名誉会長: いいでしょう。「蓮華」は不思議な花です。仏法上、深き重々の意義がある。ただ、それらの法義を語るだけで、何十巻の本になるかわからない。この連載も、永遠に終わらなくなる(笑い)。
そこで、仏法上の深義は、今後、少しずつ学んでいくことにして、まずは、もっと身近な「蓮華の文化史」というか、蓮華が歴史上、世界の人々から、どのように見られてきたかを、ざっと見ておいたらどうだろうか。

遠藤: 賛成です。新年号ですし、「特別編」として、なるべく難しい話にならないようにしたいと思います(笑い)。

斉藤: たしかに「蓮華」という同じ花でも、国や時代によって、ずいぶん受けとめ方が違います。第一、最近の若い人の中には「実物を見たことがない」という人もいます(笑い)。

須田: 蓮華というと「お盆かお葬式を思い出す」(笑い)という人も多いでしょうね。しかし本当は、古来、「蓮華」はもっとも高貴な人間の姿を象徴していました。中国では「君子の花」とも呼ばれています。

遠藤: 美人のことを「芙蓉の人」といいますが、あの「芙蓉」も、もともとは蓮華のことですね。インドでも、女性の目の美しさを「蓮華のような」と譬えるそうです。

斉藤: 今、「ハスの花のようだ」と言われても、ほめられた気がしない女性もいるかもしれません(笑い)。

名誉会長: 文化の違いだね。そういえば、初めてポルトガルに行った時、こんなことがあった。菊の花を来客に差し上げようと思って、花屋に行ったら、現地在住の方から、やめたほうがいいと言われた。
日本では、気品ある花とされているが、ポルトガルでは、葬式に使う花で、悲しさや寂しさを表すものだということだった。
国や文化によって、花の受けとめ方はいろいろです。