投稿者:まなこ   投稿日:2015年 8月 6日(木)12時43分32秒     通報
■ 宗教対話 = 人類を真の安楽へ運ぶ

斉藤: 同じ「人間」であるという一点を貫けば、どんな宗教とも対話によって対立を克服していけるのではないでしょうか。

名誉会長: その通りだ。「人間として」の一点に、仏法の平和思想の核心がある。相手の人格を尊重し、人間として、対話もできないようでは、宗教は人類を、不幸にする一方です。

斉藤: 昨年、制定されたSGI憲章は「SGIは仏法の寛容の精神を根本に、他の宗教を尊重して、人類の基本的問題について対話し、その解決のために協力していく」とうたっています。その根本精神も、ここにありますね。もちろん、その信仰者が利害や売名でなく、人間として誠実に人類の幸福を追求していることが大前提ですが。

名誉会長: もともと世界宗教の始祖といわれる人たちは、一個の吃立した「人間」であった。マハトマ・ガンジーは言っています。
「世界で最も偉大な人は常に一人立つ。偉大な預言者たち —- ゾロアスター、仏陀、イエス、マホメットを見よ。彼らはすべて一人立っている」(『私にとっての宗教 —- マハトマ・ガンディー』、浦田広朗訳、新評論)と。ガンジー自身も含めて、人類の平和と幸福のために決然と立ち上がったのです。大誠実の闘争です。
戸田先生は、「世界の大宗教の宗祖が皆、集まって会議を開いたら話は早いのだ。人類をどう幸福にするか真剣だから、すぐに話が通じるはずだ」と言われていた。この精神で私も「文明間の対話」に走っているのです。

須田: その点、現代世界で、政治的な紛争のために宗教が利用されているケースがあまりにも多いのは悲しいことですね。

遠藤: 日本でも、学会を独善的・排他的だなどと決めつけてきた一部の勢力が、政治権力と結託して国民の「信教の自由」を脅かしています。これなどもひどい矛盾です。「寛容」を口にしながら、宗教弾圧という、もっとも「不寛容」な行為に手を貸しているのですから。

斉藤: 日本人の浅はかな宗教観の象徴ですね。陰謀や暴力は、それ自体、宗教の自殺行為であり人間性の敗北です。

須田: 本来、宗教の優劣は、“教義”の深さは当然として、実践者の“行動”と“人格”に現れるべきです。その宗教を実践する人が、いかに人権を尊重し、生命を守り人類を励ましているか。この事実の姿が、ますます問われてくることでしょう。「道理証文よりも現証にはすぎず」(御書 p1468)です。

名誉会長: 牧口先生は、「軍事的競争」「政治的競争」「経済的競争」の時代から、やがて「人道的競争」の時代が到来すると予見されていた。すなわち、武力よりも、権力よりも、経済力よりも、“精神の力”“人格の力”が問われる時代です。ますます世界は、その通りに進まざるを得なくなってきている。

須田: 牧口先生の偉大な先見性に改めて感動します。

名誉会長: これが私どもの先師です。創価学会の誇るべき創立者です。牧口先生、戸田先生の偉大さは、ますます大きく世界に輝いていくにちがいない。いな、断じてそうするのが弟子の使命です。そのためにも、我々はこの「世界市民の輩出競争」で、堂々と実証を示しきっていかなくてはならない。
ともあれ、宗派や主義主張の違いを超えて、全人類を「安楽」の境涯に運んでいく。そこに法華経の「智慧」がある。その根本は「対話」です。われわれの前進は、紛争に明け暮れてきた人類の宿命を変える大運動なのです。このことを誇りとし、二十一世紀へ胸を張って進んでいこう。