2015年8月4日 投稿者:KS部OB 投稿日:2015年 8月 4日(火)23時52分4秒 通報 【第62回本部幹部会・結成55周年記念青年部総会・新世紀第7回関西総会(2006・7・20) 海外の皆さん、ようこそ! 本当にご苦労さま!(大拍手) 〈60力国・地域から来日したSGI(創価学会インタナショナル)の青年リーダー250人が元気に立ち上がり、にぎやかに声を上げ、手を振り、池田SGI会長に応えた〉 ありがとう! ありがとう! 遠い国からはるばる、たった一人か二人で、やって来られた方もいる。皆さん、ここに来るまでに、どれほどの苦労があったか。どれほどの努力があったか。 大勢の同志に囲まれて、めぐまれた環境で戦っている日本に比べれば、じつに大変なことである。 そうしたすべてを見つめて、海外の友を最大限に歓迎し、包容していく。それが仏法である。そこに人間の真髄がある。これが創価学会なのである。 意気軒高な皆さんに会えて、本当にうれしい。 創価学会の息吹、学会精神にあふれている。この勢いがあったから、学会は世界的になり、日本一になったのだ(大拍手)。 「使っている鉄は輝き、使わない鉄は錆つく」(北村孝一編『世界ことわざ辞典』東京堂出版) これはトルコのことわざである。トルコへは、私も2度、訪問している(1962年、1992年)。 一生懸命、戦っている人、働く人は、能力が衰えない。磨かれる。 反対に、怠惰な人間は、いくら有能でも、いつのまにか駄目になってしまう。どんなに優秀でも、いい学校を出ていても、そんなことは関係ない。これが人間の方程式である。 大切なのは、日々の鍛えであり、たゆまぬ戦いなのである。 「石が投げられるのは実の多い木だ」(同) これもトルコのことわざである。 他人から攻撃されるのは、それだけ重要な人物であるという証左なのだ。実がなっていなければ、石を投げられることもない。 だれからも何の批判もされない。迫害を受けない ── それは、その人物が何もしていない証拠である。 正義のために戦えば、必ず難を受ける。難を受けない人間は、本物ではない。 青年部の中から、本物の指導者が出てほしい。今、私は、正義のために戦う青年群を真剣に養成している。 芸術部の皆さん、ようこそ!(大拍手) よく来られました。元気な皆さんにお会いでき、本当にうれしい。 日ごろの活躍の姿も素晴らしいが、きょうは一段と輝いておられる。皆、応援しています。全員で拍手を送ろう!(大拍手) 続いて、アフリカのケニア等で話されているスワヒリ語のことわざである。 今回、アフリカからも多くの青年リーダーが来日してくれた。 私ども夫婦は、アフリカなど、遠いところで、けなげに一生懸命、頑張っている人のことを、いつも祈っている。そうした思いもこめて、紹介したい。 まずはじめに、「一匹の腐り魚すべてを腐らす」(柴田武・谷川俊太郎・矢川澄子編『世界ことわざ大事典』大修館書店)。 日本でもよく言われることだが、万般に通じる道理である。 組織においても、一人の悪い幹部がいると、その影響が周囲に、全体にと及んでしまうことがある。決してそうさせてはならない。 さらに、スワヒリ語のことわざにいわく。 「船長だからといって、船員であることを忘れるな」(同) 同じ集まりに属していながら、自分だけは特別だなどと思うな ── そういうことである。 学会は、どこまでも異体同心であり、全員が平等な同志である。そして、その根本には、師弟の精神がある。 初代、2代、3代によって、学会は、未来永遠の発展の基礎が築かれた。 真の師弟の精神がある限り、学会は将来にわたって勝ち栄えていく。 デンマークの大哲学者キルケゴールは、次のような問いを投げかけている。 ── ある師匠と弟子たちがいる。攻撃の矢はもっぱら恐れを知らぬ師匠にのみ向けられ、彼に従う弟子は狙われることさえなかったとする。 その場合、「この弟子たちは師のあとに従っていると言えるだろうか」(岩永達郎訳「さまざまの精神における建徳的講話3」、『キルケゴールの講話・遺稿集4』新地書房所収)。 まことに厳しい問いかけである。 少しも難を受けないで、本当に師に従っていると言えるのか。 牧口先生、戸田先生が、学会の後を継ぎゆく指導者に教えてこられた精神にも通ずる。 アメリカ創価大学1期生のネイスン・ガウアー君が、先ほど海外の代表として、あいさつをしてくださった。私も、ずっと見守っていた。 彼は今年、ハーバード大学の大学院へ進学する。1期生として、アメリカ創大に偉大な伝統を築いてくださった。 学生自治会の委員長として、だれよりも真剣に努力してくれたことも、よくうかがっている。 私のもとには世界中、日本中からあらゆる報告が入ってくる。一つ一つを正確に把握するようにしている。 ともかく、アメリカに戻ったら、偉大な同窓の友によろしく! 偉大なお父さん、お母さんによろしく! ハーバードの空に、大きな美しい虹がかかることを祈っています。成功と勝利を祈ります! 偉くなって、アメリカで、また世界で活躍していただきたい。頑張れ!(大拍手) 夏の高校野球の西東京大会で、きょう(20日)、創価高校は堀越高校に見事、6対0で勝った(大拍手)。 創価高校は次が3回戦、関西創価高校は、これから初戦が行われる予定である。ともに頑張ってもらいたい。 両校の出身者も応援している。健闘を祈ります!(大拍手) 〈創価高校は23日、穎明館高校に10対2で勝利。関西創価高校は24日、開明高校に22対2で勝った〉 きょうは、この会場にプロ野球・北海道日本ハムファイターズの八木智哉投手(=創価大学出身)が参加してくださっている。 八木投手は、オールスターゲームへの初出場が決定した。現在、チーム最多の8勝。堂々たる活躍、おめでとう!(大拍手) また、芸術部の代表として、のこいのこさんが参加しておられる。 〈のこいのこさんは、これまで数多くの有名なコマーシャル・ソングや子ども向けの歌を歌ってきた。「CM&キッズ・ソングの女王」とも言われる〉 のこさんは35年間にわたって地道に戦い抜いてこられた。誠実に頑張り抜いてこられた。 元気に歌い続けてきた曲は、約800曲と言われる。 このたび、その代表作を収めたCDのアルバムが爆発的な大ヒットとなった。本当におめでとう! 〈5月末には、大手通販サイトのCD予約チャートで1位となった〉 のこさんは総白ゆり長兼任の支部副婦人部長を務め、昨年、今年と弘教を達成しておられる。正義の教宣活動もやり遂げた。 これまで変わらずに戦い抜いてこられた「陰徳」が、大きく「陽報」と花開いた。見事な勝利の実証を示されたのである(大拍手)。 きょうは、世界五大陸60力国・地域の聡明にして偉大な、わが青年リーダーの諸君が、このように出席してくださり、私は本当にうれしい。 全員が人類の宝であり、広宣流布の逸材である。本当にありがとう! また、新たな時代を晴れ晴れと、堂々と開いている青年部の総会、大変におめでとう!(大拍手) 皆さんがいれば、学会の未来は盤石だ。 未来の勝利は、青年が育つかどうかで決まる。次の青年がどうか ── これで一切が決まる。 もう、その基礎はできあがったと私は申し上げたい。 特に、新たな金字塔を打ち立てた大関西、万歳! すごいね! (大拍手) 大関西があれば学会は安泰だ。関西は、どこよりも連帯が深い。 互いに尊敬しあっている。皆が平等である。だから強い。 きょうは、婦人部の懐かしい方々も集っておられる。皆さんのことは、よく存じ上げています。尊き奮闘、心から感謝します! 先ほど、私ども夫婦は、皆さま方とともに「ブラジル全国都市連合協会」の「栄誉賞」を拝受した。 ガルシア会長ご夫妻に、心からの御礼を申し上げたい。ムイト・オブリガード! まことに、ありがとうございました!(大拍手) 特に妻は、きょうの喜びを、結成55周年を迎えた全世界の婦人部、そして女子部の皆さま方と深く、また広く分かち合わせていただきたいと語っていた。 私たちの殉教の師匠・牧口先生は、すでに100年前に、小さな島国根性の日本を悠然と見おろしながら、青年に〝郷土を通して世界を学べ〟と呼びかけられた。 世界市民といっても、一番の足元の地域に根を張っていなければ、抽象論になってしまうからである。 アメリカの大哲学者デューイは、「民主主義は、身近なところから始めなければならない。民主主義の出発点は、近隣社会にある」と喝破した。 わがSGIの同志は、それぞれの地域で、よき市民として行動し、信頼を勝ち取ってこられた。 そして本日、ブラジルの5562の都市からなる貴協会の最大の栄冠を、皆さまを代表して頂戴しました。ありがとうございました(大拍手)。 現在、日本の全市町村の数は約1820。その3倍以上の数である。ブラジルの面積は日本の約23倍である。 今回の受賞は、世界が創価の勝利を待っている ── その一つの証左であると、私は受け止めている。 このご期待に誠実に応えながら、私たちは明年へ、そして学会創立80周年(2010年)へ、さらに勇敢に、堂々と、日本中、世界中、あの都市でも、この地域でも、自身)勝利、人間勝利、創価勝利の旗を、高々と打ち立てていこうではありませんか!(大拍手) 〈ここでSGI会長は、看護に携わる女子部員の集いである「白樺グループ」の林新子委員長を激励。林さんのお母さんは、同グループの初代の責任者を務めた林栄子さん(1985年に逝去)。SGI会長は広布に生き抜いた栄子さんの生涯を讃え、女子部の成長に期待を寄せた〉 敬愛するガルシア会長は、奇しくも1952年の7月11日、わが男子部の結成1周年の、その日に誕生された。 本年、55周年の男子部より1歳お若く、54歳になられたばかりの、信念の丈夫(ますらお)である。 正義の弁護士である会長は、24歳の時から、偉大な政治家であり、カンベー市の市長も務めたコンセイソン氏を師と仰ぎ、若き官房長として仕えられた。 偉大な人には、必ず師匠がいるものだ。師匠のいない人間ほど、さびしいものはない。 創価の先師である牧口先生、恩師・戸田先生、そして私も、投獄された。正義なるがゆえに。 このコンセイソン氏は、当時の軍事政権と勇敢に戦われた。投獄の迫害にもあった。苦労に苦労を重ねる連続だった。 しかし、民主化を推進する以外に、国家の安泰はない。将来はない。 「『庶民の利益』以外のものは、一切受け入れない」 ── これが市長となったコンセイソン氏の信念であられた。 そして、支持者への報恩感謝、市民への奉仕を、絶対に忘れない人だった。 「もし人がひとしお大きい恩を受けて感謝を表わさなかったら、ひとしおひどい不正ではあるまいか」とは、人類の教師ソクラテスの言である(佐々木理訳、クセノフォーン著『ソークラテースの思い出』岩波文庫)。 残念ながら、コンセイソン氏は、51歳で逝去された。 しかしその時、若き会長は、「正義と平等が光る都市の建設を!」との師匠の遺志を受け継ぎ、決然と立ち上がられた。 ブラジル文学アカデミーのアシス初代総裁は、「大きな危機の時に、人間の精神は偉大さを示す」と語っている。 いざという時に、人間の真価は現れる。 師匠が残した一冊の手帳には、市民の福祉と市の繁栄のために成し遂げたい「夢」が、力強く綴られてあった。 それは、市井の人々の意見に耳を傾けて練り上げた、民衆のための政策であった。 会長は、「師匠の夢」を知り尽くしていた。後継者として、3期12年、市長を務め上げ、師の夢を一つ、また一つと実現していかれた。 そして、ユニセフ(国連児童基金)などからに「児童友愛都市」として認定される、素晴らしい市政を成し遂げられたのである。 夫人も同じ心で、多くの母たちや子どもたちのために、気高い奉仕と献身の活動を貫いてこられた。 会長ご夫妻は、見事に勝たれました!(大拍手) 師匠も、どれほど喜んでおられることか。 人生の真髄は、師弟の道に通じている。 高潔な会長の師弟の勝利、夫妻の勝利の劇に、私たちは心から敬意を表したい。 私には、ご夫妻の心情が痛いほど胸に迫ってくる。 私も妻も、私たちを育成してくださった恩師の夢をすべて実現するために、この人生を捧げきってきたからである。 そして私は、今、立派に成長したわが青年部の諸君に、「一閻浮提広宣流布」という〝地球の平和〟と〝人類の幸福〟への壮大な夢を、明確に託しておきたい。 先日(18日=現地時間)には、フランスのユゴー文学記念館に、私が親交を結んだデクエヤル元国連事務総長が訪問された。 ユゴーは綴った。 「勇気を出せ、そして前進せよ!」 「われわれは諸民族の団結にむかって行くのである、人間の団結にむかって行くのである」と(井上究一郎訳『レ・ミゼラブル2』河出書房新社)。 青年部の諸君の舞台は、全世界に開かれている。堂々と、自身の勝利のために、友の幸福のために、団結して進んでいただきたい。 きょうは、青年部の訪中団200人が出席されている。 皆で拍手を送りたい。元気で行ってらっしゃい! (大拍手) また、教育本部の訪中団は20人である。ご苦労さま!(大拍手) 日中の友好も、私は先駆をきり、世界平和の信念に立って、道を開いてきた。 青年部には、この平和友好の事業を、バトンタッチしていかねばならない。 創価の青年らしく、誠心誠意、「人間外交」をお願いしたい。明朗闊達に、新しい「金の道」を築いていただきたい。 全員の無事故、健康、そして成功を、私は祈っている。行ってらっしゃい!(大拍手) さて4年前、私はガルシア会長と語った。忘れ得ぬ思い出である。 ── 世界は刻々と変化している。 その変化を鋭敏に察知して、柔軟に対応できるのは、なんと言っても、女性の智慧である。女性の力である。 その女性の声に、真摯に、謙虚に、耳を傾けよ! 「今まで通りでいいんだ」という石頭の男性は、時代遅れだ。時代に取り残されてしまう。この一点を忘れてはならない ── 。 大要、これが会長との語らいの、一つの結論だったのである。 学会も、男女が同等に、広宣流布へ一体となって力を発揮する流れができてきた。 「男女はきらふべからず」(御書1360ページ)との日蓮大聖人の御金言通りの前進に、いよいよ拍車がかかってきた。 思えば、40年前、御聖訓の通り、「悪口罵詈」のなか、必死に戦ってきたブラジル婦人部の皆さまに、私は厳然と申し上げた。 「時代を変える本当の原動力は、何か。 それは、女性の祈りであり、生活に根ざした女性の活動以外の何ものでもない。 女性の力は、大地の力である。大地が動けば、すべては変わる。動く。 権威の城など、簡単に崩れ、不動のように見えた山でさえも動かせるものである」 この私の大確信の通りに、ブラジルの女性たちは、祈り抜き、戦いきって、立派な、晴れ晴れとした女性の時代をつくってくれた。 ブラジル、ありがとう! (大拍手) ブラジルといえば、サイトウ婦人部長が思い出される。 喘息で病弱だった宿命を見事に転換し、南米広布の先駆者となられた、非常に立派な方だった。 〈シルビア・E・サイトウさんについては、SGI会長が「わが忘れ得ぬ同志」の第1回で綴っている。本紙の本年4月16日付で掲載〉 今、不思議にも、新しい時代とともに、新しい人材が、さっそうと躍り出はじめた。 人材の流れが加速している。この絶好の機会を逃してはいけない。 きょうは、世界の知性が期待を寄せる、アメリカ創価大学の友も出席してくださっている。 ようこそ! ありがとう! (大拍手) 現在、人類の議会たる国連で、「国連宗教NGO(非政府組織)委員会」の議長を務めているのは、アメリカ創価大学の大学院に学んだ桜井君である。 数多くの団体が参加する委員会の代表として、キリスト教やユダヤ教、イスラム教をはじめ、世界の諸宗教の対話と協調を、絶妙にリードしている。賞讃の声も多い。 〈「国連宗教NGO委員会」は、宗教・倫理関連の国連登録NGOからなる委員会。1972年に発足し、NGO委員会では最も歴史がある。SGIニューヨーク国連連絡所の桜井浩行代表が2005年から07年までの2年間、議長職を務める〉 すごい時代に入っている。世界各地に、平和・文化・教育の大河が、着々と広がっている。 さて、ガルシア会長の師匠(コンセイソン氏)は、逝去の1週間前に、一つのメモを書き残された。 そこには、こう記されていた。 「逆風が吹くのはわかっている。しかし、私は勝たねばならない」 この師匠の遺言の通り、会長ご夫妻は、忍耐強く、一切を乗り越え、勝ち越えて進んでこられたのである。 まさに「関西魂」、わが「学会精神」と同じであると、私は申し上げておきたい(大拍手)。 あの「大阪事件」の裁判に臨み、私は関西の青年に語った。 「私は、戸田先生の弟子です。東洋、そして世界の平和をリードする革命児です。これくらいのことは、何とも思っていません。 諸君は、自らの一日一日の闘争を、立派に勝ち抜いてもらいたい」と。 「師子王の心」で戦い抜いたのが、関西と私である。 ともあれ、「関西の大勝利」が、「学会の大勝利」につながることを知っていただきたい。 関西は、私と直結で! 関西さえ完壁なら、絶対に学会は勝つ(大拍手)。 ブラジルの文豪ギマランエス・ローザ(1908?1967年)の長編小説『大いなる奥地』の中の言葉を、君たちに捧げたい。 「私は勝利をうるために生まれてきた」「どんなことがあっても、私はひるみはしない」(中川敏訳、『筑摩世界文学大系83』筑摩書房所収) どんな困難があろうとも、断じて負けない。断じてひるまない。 最後は、仏法を持った私たちが勝つ! ── この気概でいきましょう。 本日は、ガルシア会長ご夫妻をはじめ、全出席者の皆さま、本当にありがとうございました。皆さまのご健勝を私は心から祈ります。 さらに、ブラジルの5562の都市の方々にも、私は最大の感謝をお伝えしたい。その代表であられるガルシア会長ご夫妻に、重ねて全員で万雷の拍手をもって、御礼申し上げようではありませんか(大拍手)。 私も親しく会見した統一ドイツのヴァイツゼッカー初代大統領が、かつて、日本の市民や学生に、このように呼びかけたことがある。 「国の政治を政治家や古い制度に任せず、若者が積極的にかかわっていくことが大切だ」「そして、武力ではなく、平和を望む心で未来を切り開いていってほしい」(「毎日新聞」1999年5月7日付朝刊) 戸田先生は、私たち青年に、「心して政治を監視せよ!」と叫ばれた。 青年こそ時代を動かす力である。今再び、私は、青年よ、心して政治の魔性を監視せよと訴えたい。 また、ヴァイツゼッカー大統領は、ある時、こう述べておられる。 「政治は精神に近づく道を求めるべきである。精神の領域からの批判的な声を嫌ってはならない。それに学ぶことを心得ているべきなのである」(加藤常昭訳『ヴァイツゼノカーのことば』日本基督教団出版局) その通りであろう。反対に、人間の精神の声、良心の声を聞かなくなった政治がどうなるか。 大統領は、私との会見で、他者に対し、世界に対し、〝開かれた心〟を持つことの大切さにふれ、こう語られた。 「強大な権力による政治に戻ってはなりません」「日本とドイツは、ともに『閉じた社会』がいかに危険であるかという苦い経験をもっています」と。深くかみしめたい哲人大統領の言葉である。 ヴァイツゼッカー大統領との出会いは、世界中が注目したベルリンの壁の崩壊から1年半後、ドイツ統一からは8カ月後のことであった。〈1991年6月12日、ボンの大統領官邸で〉 統一ドイツは、どこへ向かうのか。国連や日本との関係はどうなるのか。互いに胸襟を開いて、率直に、何でも話し合ったことが本当に懐かしい。 あの東西冷戦のまっただ中で、私は、ソ連にも行った。当時のコスイギン首相をはじめ、最高首脳と会見し、真剣に誠実に語り合った。 一期一会となった中国の周恩来総理との語らいでは、周総理から遺言のごとく、日中友好の未来を託された。 アメリカの国務長官を務めたキッシンジャー氏、キューバのカストロ国家評議会議長等々、私は、一民間人の立場で、また、世界の平和と民衆の幸福を願う一人の人間として、世界の一級の指導者と心を開いて対話を続けてきた。深い友情を結んできた。それは、私の人生の誇りである。 ブラジルの詩人オラーヴォ・ビラッキ(1865?1918年)は高らかに謳った。 「青年は、春のごとくに! その魂は、花々に満ち、光り輝く」 「未来を見つめ、過去など持たぬ 常に真正面から挑み 恐れず、大胆な働きをなす」 時は、瞬間瞬間、過ぎ去っていく。 だからこそ、大胆に、「前へ! 前へ!」。くよくよしていないで! 未来を見つめ、進み続ける人は、永遠に青年である。その人の魂は、花々に満ちて、光り輝いていくのである。 世界の英知の箴言を皆さんに贈りたい。 20世紀のブラジルの詩人カルロス・ドルモンは言った。 「困難は、〝人格〟を建設する時の鉄骨である」 困難と戦うからこそ、〝人格の背骨〟が鍛えられるのである。 また、スワヒリ語のことわざに、こうある。 「嘘つきの道は短い」(『世界ことわざ大事典』大修館書店) 嘘をついても、すぐに行き詰まってしまう。嘘は、絶対に、真実には勝てないのである。 19世紀のアメリカ・ルネサンスの思想家エマソンは綴った。 「文明の一つの十分な尺度は、よき女性の勢力である」(志賀勝訳『エマソンの言葉』西村書店) 学会においても、これまで以上に、婦人部、女子部を尊敬していきたい。 何度も申し上げてきたが、「絶対に女性を叱らない。絶対に女性を怒らない。絶対に女性を見下さない」ということを、重ねて男性の幹部に徹底させていただきたい。 もしも、自分の奥さんや娘さんが叱られたら、どう思うかを考えれば当然のことである。 きょうは、このことを、学会の指針として全員で決議し合いたいと思うが、いかがだろうか(大拍手)。 「国家は、人間と良書で建設すべきである」 ── こう叫んだのはブラジルの作家モンテイロ・ロバット(1882?1948年)であった。 良書と親しみ、悪書は遠ざけよ ── これが古今の偉人の一つの結論といってもいい。 戸田先生は、青年が低俗な雑誌などを読んでいると烈火のごとく注意された。「良書を読め。古典を読め」と。 また当時、戸田先生を貶める中傷や虚偽が流されたならば、若き私は、どこへでも、飛んで行って抗議した。 悪意ならば戦い、偏見ならば正し、誤解ならば丁寧に真実を説いていった。 いかなる権威・権力の人間が相手であろうとも、戸田先生には、指一本たりとも触れさせない ── それが私の青春の誓いであり、祈りであり、実践であったことを、最後に申し上げておきたい。 きょうは長時間、本当にありがとうございました! 海外からお越しくださった皆さま方、ご苦労さまでした。お会いできなかった皆さまに、くれぐれもよろしくお伝えください。 これから暑くなりますが、ともどもに健康に留意して、有意義な夏を過ごしてまいりましょう。お元気で!またお会いしましょう!(大拍手) Tweet