投稿者:まなこ   投稿日:2015年 7月30日(木)20時08分3秒     通報
■ 日本で最初の出家者は「女性」

斉藤: じつは、日本の仏教においても、初めから女性が排除されていたのではありません。たとえば、日本で初めての出家者は女性です。

名誉会長: たしか善信尼ですね。

斉藤: はい。渡来人の司馬達等の娘とされています。584年に出家しました。彼女とともに出家した二人がいましたが、二人とも女性だったようです。これは当時、女性が仏教的に差別されていなかった例証と言えると思います。

遠藤: その頃(六~八世紀)は、女性の天皇が相次ぐなど社会全体に女性の地位が高かったのかもしれませんね。

斉藤: 奈良時代(八世紀)には、奈良の法華寺をはじめ、国分尼寺も各地に建てられました。別名を「法華滅罪の寺」と呼ばれ、法華経の功徳で女性の平安を願うことを目的としたものです。これも九世紀以後は衰亡し、廃寺になったり、男性の寺院になったり、その末寺になったりしています

須田: その理由は、仏教の国家主義化の進展とか、神道との関係なども考える必要があると思います。いずれにせよ、インドと似て、日本でも仏教本来の平等観を貫くことは大変に難しかったことがわかります。

名誉会長: 絶えず、“原点に帰れ —- 創始者の精神に帰れ”と、努力を続けなければならない。宗教といっても、所詮は「人」です。「人」で決まるのです。
また別の角度から言えば、歴史はつねに変化、変化てす。今の男性中心社会も、いつまでも続くものではないし、続けてはなりません。

斉藤: 人類の歴史を見ると、紀元前の世界では、数1000年以上にわたる長い母権社会が続いていていたわけですね。その後、男性中心の社会になったわけですからむしろ男性中心の社会のほうが、歴史的には短いと言えるかもしかません。

名誉会長: 今後はどちらが中心ということではなく、まったく新しい調和の文明が必要でしょう。ともあれ、日蓮大聖人の平等観はじつに透徹しておられる。
たとえば、大聖人は「一切衆生は性徳の竜女なり」(御書 p798)と仰せです。一切衆生が、竜女としての性分をもっている。その意味で、男性も竜女である。だからこそ竜女は、自分の成仏は、舎利弗の成仏でもあると叫んだのです。