投稿者:まなこ   投稿日:2015年 7月23日(木)14時58分37秒     通報
■ 自身を荘厳する「七宝」

遠藤: そうしますと、宝塔を飾る「七宝」も私たち自身の生命にあるものですね。

名誉会長: そうです。それ以外にありません。

斉藤: 大聖人は、阿仏房に「七宝」とは「聞」「信」「戒」「定」「進」「捨」「慚」であることを明かされています。

名誉会長: 我が身の内なる宝です。金・銀等の七宝が“世間”の財宝であるのに対し、聞・信等の七宝は“出世間”における財宝です。この財宝だけは、死後にも、もっていける(笑い)。「永遠の財宝」です。

遠藤: この七宝は七法財といわれ、仏道修行の上で不可欠の要件とされています。

須田: 「七宝」については、かつて先生がわかりやすく教えてくださっています。まず、「聞」とは、聞こうとする求道心です。仏道修行の第一歩は「聞」から始まります。「信」は信ずる力。以信代慧で、智慧も「信」から涌現する。また、人間と人間を結ぶのも「信」の力です。
「戒」は、本来、防非止悪(非を防ぎ悪を止む)の意味で、仏法の正しい軌道を、きちっと歩んでいくということです。自律の精神、正義の心とも言えます。
「定]は禅定、すなわち心を定め、雑念を払い、安定した境地に立つことです。「定」とは揺るぎなき不動の心、信念と言えるでしょう。
「進」は「精進」の意です。一生成仏と広宣流布を目指し、たゆみなく前進し、進歩する息吹です。
「捨」は、執着などを捨て去ること。小さなエゴを打ち破っていく勇気、大いなる理想への挑戦なども含まれます。
「慚」とは慚じることで、自分を見つめる謙虚な心を意味しています。

名誉会長: これらは全部、「信心」の二字に納まっている。学会活動に全部、入っている。妙法を根本に、昼は太陽とともに働き、夜は月光とともに自分という人間を見つめて、また進歩していく。そういう信心即生活こそが七宝に飾られているのです。これこそ本当の「豊かな人生」なのです。

斉藤: これらの一つ一つは、信仰者だけでなく、万人にとって大切な「人間の条件」ですね。

名誉会長: 信仰とは、最高に正しい人生を生きるということです。仏法の智慧は、最上の「人間学」です。
宝塔は人間の「生命」にある —- そう見ることは、一切の差別を超えて「人間の尊厳」を見ることです。なぜかならば、「生命」に序列はない。だれもが「生命」をもっている。男女の違いもない。皮膚の色の違いもなければ、貴賤上下の差別も一切ない。民族の違いもない。一切、平等です。
ゆえに、宝塔が立つとは、「人間平等」の尊厳観が打ち立てられたとも言えるのです。真実のヒューマニズムです。

遠藤: 「貴賤上下をえらばず」 —- 「阿仏房御書」の一節の通りですね。

名誉会長: 他人を差別する人は、自分の尊厳をも傷つけているのです。他人を大切にすることによって、自らの宝塔も輝くのです。

須田: 「自他不二」の心ですね。

斉藤: 不軽菩薩品のテーマになりそうな感じですね。

遠藤: 先に進み過ぎると、あとで困るかもしれません(笑い)。

名誉会長: それもそうだけど、大事なテーマは、おしなべて法華経全体に貫かれているものです。また、詳しく論じる機会があるでしょう。