2014年12月5日 投稿者:大仏のグリグリのとこ 投稿日:2014年12月 5日(金)15時13分54秒 また「仁王経」の文では、自然災害や社会の荒廃が起こるには、順序があり、タイムラグがあると説いています。 まず一番目に起こるのは、指導者の思想から乱れていく。 二番目は、乱れた思想をもつ指導者が立つと、その社会機構が力の論理に支配される。 三番目は、力の論理に支配されるがゆえに民衆が乱れ、自然災害が起こる。 これが、国が滅んで行く順序です。指導者が狂い始めた直後は、民衆はまだ何が起こっているのかわからない。民衆が気付くのは、実際に自分の職場が倒産したり、自分の所属する機構の荒廃を目の当たりにしたときです。しかし、そのときにはもう自然環境が猛威を奮っていることでしょう。 そうなってはもう遅い。だからこそ、その最悪の事態を避けるために、大聖人は立正安国論を著し、諌暁したのです。しかし、先陣を切って戦う聖人・賢人は、迫害に合うことは避けられず、これも経文通りなのです。 最後に「薬師経」です。 「若し刹帝利・潅頂王等の災難起らん時、所謂、人衆疾疫の難、他国侵逼の難、自界叛逆の難、星宿変怪の難、日月薄蝕の難、非時風雨の難、過時不雨の難あらん」(一九頁) ――もし、刹帝利・潅頂王のいわゆる支配者階級のものに災難が起こるときには、 次のような七つの難がある。すなわち、 民衆が伝染病等の流行に悩まされる難、 他国から侵略される難、 自国内で反逆、同士討ちが起こる難、 星宿の変怪する難、 太陽や月が日蝕、月蝕など薄蝕する難、 時期はずれのときに暴風雨のある難、 時を過ぎても降るべき時節に雨の降らない難、 以上の七つの難である――とあります。 ここは、指導者の責任と使命がいかに重大かということが説かれているところです。 Tweet