投稿者:大仏のグリグリのとこ 投稿日:2014年12月 5日(金)15時09分38秒
 
では、文証として引かれた「金光明経」から見ていきましょう。
「一切の人衆、皆善心無く、唯繋縛・殺害・瞋諍のみ有つて、互に相讒諂し、枉げて辜無きに及ばん」(一八頁)
――すべての人たちは、皆ことごとく善心がなく、ただ縛り合い、殺害し合い、
争い合って互いに相手を讒言し、罪のないものを無理やりに法をまげて罪に陥れる――。

これは、民衆に善心というものがなく、皆、利己主義になって他人のことなど考える余裕すらなく、
畜生界の如く上司に媚びへつらう集団のような生活が民衆のなかに起こる。

罪人は多くなって、これを縛るのに忙しく、ちまたにはリンチ・いじめがあり、残忍な殺害があり、
怒りと怒りがぶつかり合って修羅道となり、互いにへつらい合い、罪なき人を罪に陥れるようになる――という、まさに暗黒と悲惨と恐怖の世界です。
そして、「伝染病が流行し、地震が起き、大雨や暴風があって農作物が実らず、民衆は苦悩を受ける」(同頁)というのです。

次に「大集経」の文中で、「衆生及び寿命・色力・威楽減じ、人天の楽を遠離し、皆、悉く悪道に堕せん」(一九頁)
――衆生の寿命も減じ、体力も威光も楽しみも減少し、
生活が脅かされ、皆ことごとく不幸に堕ちてしまう――

とありますが、これは人口が減少し、寿命が減じ、生命力が弱まり、その肉体も衰え、楽しみも希望も勇気もなく、健全な生活は失われ、例えば、うつ病のような神経を病む人ばかりになる。やがて三悪道に堕ち入り、長くそこから抜けきれず、闇から闇へと流浪していくということです。