投稿者:赤胴鈴之助 投稿日:2017年 8月 1日(火)11時22分2秒   通報
第一章 仏教とイスラム・・・平和への対話 23

「人間性」という共通の大地に立って p42

テヘラニアン
対話がない世界は、暗黒です。

「対話」なければ人間は、独善という暗闇の中を歩み続けねばならないのです。

池田
博士の比喩を借りれば、「対話」とは、その暗闇にあって自身の足元を照らし出す
ものとも表現することができますね。

人間と人間が語り合うこと・・・ここからすべては始まります。

現代の大きな焦点となっている「文明間の対話」といっても、あくまでその基本となるのは
「人間と人間の対話」なのです。

社会主義の国々を訪れた際にも、「そこに人間がいるから」という信念で、私は「友好

の橋」を架けようと努めてきました。

友か敵かといった、二者択一的な関係を打ち破り、「人間性」という共通の大地に立って、

心を開いて話し合うことが、問題解決の糸口を見いだすことにつながると固く信じて
きました。

テヘラニアン
池田会長の行動は、実に先駆的です。過去四十年間にわたり、トインビー博士から

ゴルバチョフ元大統領など、世界の指導的な立場の方々と一五〇〇回を超える対話を
続けてこられた。

ご指摘のように、「相違点」と同時に「共通点」を見いだし、認め合うことから新しい
価値は生まれてくるのです。

池田
かつて社会主義国に対して、そうだったように、いまはイスラム圏に対して、欧米

諸国を中心とする多くの人たちが、ステレオタイプ(紋切り型)の偏った先入観を抱い
ていると思います。非常に危険なことです。

テヘラニアン
私も、現在の状況を深く憂慮しています。

しかし、これまでさまざまな文化を背景とする識者との対話を重ねられ、また仏教と

キリスト教をはじめ、宗教間の対話にも意欲的に取り組んでこられた池田会長ならば、その
難しい「橋渡し」も実現可能なのではないでしょうか。

会長は、国際社会において、特定の国が”孤立化”しないよう率先して行動してこられ
た。

世界を「分断」の危機から救おうとされる、そのご努力に、私は心より敬意を表したい
のです。

池田
いや、博士こそ、戸田平和研究所での短期間のめざましい実績を拝見しただけでも、

グローバルな対話の推進役になられています。

「よく知る」ということが、友好を深めるための第一歩となります。

互いの長所を認め合い、謙虚に学び合っていく姿勢が、現代を生きる私たちには求め
られております。

仏教とイスラムという、異なる背景をもつ私たち二人が行う対談が、その一助になれば
と願っています。

テヘラニアン  同感です。私も、全力で取り組みます。