投稿者:赤胴鈴之助 投稿日:2016年 8月 7日(日)02時40分41秒
しじょうきんごどのごへんじ
ぼんのんじょうごしょ
しっぴつ ぶんえい くねん くがつ ごじゅういちさい
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それ、せいのかんこうと、もうせしおう、むらさきを、このみてふくたまいき、そのしょうおうといいし、おうはおんなのこしのふときことを、にくみしかば、いっさいのゆうじょ、こしをほそからせんが、ために、がししけるもの、おほし。しかれば、ひとりのこのむことをば、わがこころにあはざれども、ばんみんしたがいしなり。
たとへば、おおかぜのそうもくをなびかし、たいかいのしゅうるをひくがごとし、かぜに、したがはざる、そうもくは、をれうせざるべしや、しょうが、たいかいに、おさまらずば、いづれのところに、おさまるべきや、こくおうともうすことは、せんしょうに、ばんにんにすぐれて、たいかいをたもち、てんちおよびしょじん、ゆるしたまいぬ、そのたいかいの、くどくをもちて、そのすむべきこくどを、さだむ、ふたり、さんにんなどを、おうとせず、ちおう、てんのう、かいおう、さんのうなど、ことごとくらいりんして、このひとをまほる、いかに、いはんや、そのくにじゅうのしょみん、そのだいおうを、そむくべしや。
このおうは、たとひあくぎゃくをおかすとも、いちにさんどなどには、とこうなく、このだいおうを、ばっせず、ただ、しょてんなどのみこころに、かなわざるはいちおうは、てんぺんちようとうを、もちて、これをいさむ、こと、かぶんすれば、しょてん、ぜんじんなど、そのこくどをしゃりしたもう。
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もしは、このだいおうのかいりきつき ごきたってこくどのほろぶることもあり、また、ぎゃくざいおおくに、かさまればりんこくに、やぶらるることもあり、ぜんあくにつきて、くにはかならずおうにしたがうものなるべし。
せけん、かくのごとし、ぶっぽうもまた、しかなり、ぶっだすでに、ぶっぽうを、おうほうにふしたもう。
しかれば、たとひしょうにん、けんじんなるちしゃなれども、おうにしたがはざれば、ぶっぽうるふせず、あるいは、のちにはるふすれども、はじめには、かならずだいなんきたる、かにしかおうは、ほとけのめつご、よんひゃくよねんのおうなり けんだらこくを、たなごころのうちに、にぎれり、ごひゃくのあらかんを、きえして、ばしゃろんにひゃくかんをつくらしむ、くにじゅうすべてしょうじょうなり そのくにに、だいじょうひろめがたかりき、ほつしゃみったらおうは、ごてんじくを、したがへて、ぶっぽうをうしなひ しゅうそうの、くびをきる、だれのちしゃも、かなはず。
たいそうは、けんのうなり、げんじょうさんぞうをしとして ほっそうしゅうをたもちたまいき だれのしんかかそむきし、この、ほっそうしゅうは、だいじょうなれども、ごしょうかくべつともうして ぶっきょうちゅうのおほきなるわざはひと、みえたり、なを、げどうのじゃほうにも、すぎ、あくほうなり、がっし、しんたん、にほん、さんごくともにゆるさず、ついに、にほんこくにして、でんぎょうだいしのみてにかかりて、このじゃほうとどめおわんぬ、だいなるわざはひなれども、たいそうこれをしんこうしたまいしかば、だれのひとかこれを、そむきし。
しんごんしゅうともうすは、だいにちきょう、こんごうちょうきょう、そしっちきょうによる、これをだいにちの、さんぶと、ごうす、げんそうこうていのおんとき、ぜんむいさんぞう、こんごうちさんぞう、てんじくより、もちきたれり、げんそうこれを、そんちょうしたもうこと、てんだい、けごんしゅうなどにも、こへたり、ほっそう、さんろんにもすぐれておぼしめすがゆえに、かんどはすべて、だいにちきょうは、ほけきょうにすぐるとおもひ、にほんこく、とうせにいたるまで、てんだいしゅうは、しんごんしゅうにおとるなりとおもふ、かのしゅうを、がくするとうじ、てんだいのこうそうなど、まん、かまんをおこす、ただしだいにちきょうと、ほけきょうと、これをならべて、へんとうをすて、これをみれば、だいにちきょうは、ほたるびのごとく、ほけきょうは、めいげつのごとく、しんごんしゅうは、しゅうせいのごとくてんだいしゅうは、にちりんのしごと。
へんしゅうのもののいわく、なんじいまだしんごんしゅうの、じんぎをならいきはめずして、かのむじんのとがをもうす、ただししんごんしゅう、かんどにわたってろっぴゃくよねん、にほんに、ひろまりて、よんひゃくよねん、このあいだのにんしの、なんとうあらあら、これをしれり、でんぎょうだいしひとり、このほうもんの、こんげんを、わきまへたもう。 p1120
しかるに、とうせ、にほんこくだいいちの、とがこれなり、すぐるをもって、おとるとおもい、おとるをもってすぐるとおもうのゆえに、だいもうここくを、ちょうぶくするとき、かえっておそわれんとほっすこれなり。
けごんしゅうともうすは、ほうぞうほっしが、しょりゅうのしゅうなり、そくてんこうごうの、ごきえありしによりて、しょしゅう、かたをならべがたかりき、しかれば、おうのいせいによりて、しゅうのしょうれつは、ありけり、ほうによってしょうれつなきやうなり。
たとひ、じんぎをえたる、ろんし、にんしなりといふとも、おうほうには、かちがたきゆへに、たまたまかたんとせし、ひとは、だいなんにあへり、いわゆるししそんじゃは、だんみらおうのために、くびをはねらる、だいばぼさつは、げどうのために、さつがいせらる、じくのどうしょうは、そざんにながされ、ほうどうさんぞうは、かおにかなやきをされてこうなんに、はなたれたり、しかるににちれんは、ほけきょうのぎょうじゃにもあらず、また、そうりょのかずにもいらず。
しかりしこうして、よのひとに、したがいて、あみだぶつのみょうごうを、たもちしほどに、あみだぶつのけしんと、ひびかせたもう、ぜんどうわじょうのいわく 「じっそくじゅっしょう、ひゃくそく、ひゃくしょう、ないし、せんちゅうむいち」と、せいしぼさつの、けしんとあをがれたもう。
ほうねんしょうにん、このしゃくを、りょうけんしていわく 「まつだいに、ねんぶつのほかの、ほけきょうなどを、まじふるねんぶつにおいては、せんちゅうむいち、いっこうにねんぶつせば、じっそくじゅっしょう」とうんぬん。 にほんこくの、うち、むちあおいで、このぎをしんじていまにごじゅうよねん、ひとりも、うたがいを、くわへず、ただにちれんの、しょにんにかはるところは、あみだぶつのほんがんには 「ただごぎゃくと、ひぼうしょうほうとをのぞく」とちかひ、ほけきょうには 「もしひとしんぜずして、このきょうを、きぼうせば、すなわちいっさいせけんの、ぶっしゅをだんず、ないし、そのひと、みょうじゅうして、あびごくにいらん」と、とかれたり、 これぜんどう、ほうねん、ほうぼうのものなれば、たのむところの、あみだぶつにすてられをはんぬ、よぶつ、よきょうにおいては、われとなげうちぬるうえは、すくいたもうべきに、およばず、ほけきょうのもんのごときは、むげんじごく、うたがいなしと、うんぬん、しかるを、にほんこくは、をしなべて、かれらが、でしたるあひだ、このだいなんまぬかれがたし。
むじんの、ひけいをめぐらして、にちれんをあだむ、これなり、さきざきのしょなんは、さておきそうらいぬ、こぞくがつじゅうににち、ごかんきをかほりて、そのよるのうちに、こうべをはねねらるべきにて、ありしが、いかなることにやよりけん、かのよるは、のびて、このくににきたりて、いままでそうらいに、せけんにも、すてられ、ぶっぽうにも、すてられてんも、とぶらはれずにとにかけたる、すてものなり。
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しかるを、いかなるおこころざしにて、これまでおつかいを、つかはし、おんみにはいちごのだいじたる、おんははのごついぜん、だいさんねんのごくようを、おくりつかはされたる、りょうみっかは、うつつとも、おぼへず。
かのほっしょうじの、しゅぎょうが、いはをがしまにて、としごろ、つかひける、わらべにあひたりし、ここちなり、ここくのいようこうと、いひしもの、かんどにいけどられて、きたよりみなみへ、いでけるに、とびまひける、かりをみてなげきけんも、これには、しかじとおぼへたり。
ただしほけきょうにいわく 「もしぜんなんし、ぜんにょにん、わが、めつどののちに、よくひそかに、ひとりのためにも、ほけきょうの、ないしいっくをとかん、まさにしるべし、このひとは、すなわちにょらいのつかい、にょらいのしょけんとして、にょらいのじを、ぎょうずるなり」とううんぬん。
ほけきょうを、いちじいっくもとなえ、また、ひとにもかたりもうさんものは、きょうしゅしゃくそんの、おんつかいなり、しかれば、にちれんいやしきみなれども、きょうしゅしゃくそんのちょくせんを、ちょうだいして、このくにに、きたれり、これをいちごんも、そしらんひとびとは、つみをむげんにひらきいちじいっくも、くようせんひとは、むすうのほとけを、くようするにも、すぎたりとみえたり。
きょうしゅしゃくそんは、いちだいの、きょうしゅ、いっさいしゅじょうの、どうしなり、はちまんほうぞうは、みなきんげん、じゅうにぶきょうは、みなしんじつなり。 むりょうおっくうより、いらいたもちたまいし、ふもうごかいのしょせんは、いっさいきょうこれなり、いづれも、うたがうべきにあらず、ただ、これは、そうそうなり、べっしてたづぬれば、にょらいのこんくより、しゅったいして、しょうじょう、だいじょう、けんみつ、ごんきょう、じつきょう、これあり。
いまこの、ほけきょうは 「しょうじきしゃほうべんとう、ないしせそんほうきゅうご、ようとうせつしんじつ」とときたまうことなれば、だれのひとかうたがうべき。
なれども、たほうにょらい、しょうみょうをくわへ、しょぶつ、したをぼんでんにつけたもう、されば、このみきょうは、いちぶなれども、さんぶなり、いっくなれども、さんくなり、いちじなれども、さんじなり、この、ほけきょうのいちじのくどくは、しゃか、たほう、じっぽうのしょぶつの、おんくどくを、いちじにおさめたもう、たとへば、にょいほうじゅのごとし、いちじゅも、ひゃくじゅも、おなじきことなり、いちじゅも、むりょうのたからを、ふらす、ひゃくじゅも、また、むじんのたからあり、たとへば、ひゃくそうをすりて、いちがんないし、ひゃくがんとなせり、いちがんも、ひゃくがんも、ともにやまいをちすること これをなじ、たとえへば、たいかいのいちていも、しゅうるをそなへ、いっかいも、ばんるのあじをもてるがごとし。
みょうほうれんげきょうと、もうすは、そうみゃうなり、にじゅうはちほんともうすは、べつみょうなり、がっしともうすは、てんじくのそうみょうなり べっしてはごてんじく、これなり。
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にほんともうすはそうみょうなり、べっしては、ろくじゅうろくしゅうこれあり、にょいほうじゅともうすは、しゃかぶつのおんしゃりなり、りゅうおうにこれをたまいて、ちょうじょうに、ちょうだいして、たいしゃくこれを、もちて、たからをふらす、ほとけのしんこつの、にょいほうじゅとなれるは、むりょうこうらいたもつところの、だいかい、みに、くんじて、ほねにそみ、いっさいしゅじょうを、たすけるたまとなるなり、たとへば、いぬのきばの、とらのほねにとく、さかなのほねの、うの、いきにきゆるがごとし、ないし、。ししのすじを、ことのげんにかけて、これをひけば、よのいっさいのけもののすじの、げん、みなきらざるに、やぶる、ほとけのせっぽうをば ししくともうす、ないしほけきょうは、ししくのだいいちなり。
ほとけには、さんじゅうにそう、そなはりたもう いちいちのそう、みなひゃくふく、しょうごんなり、にくけい、びゃくごうなんど、もうすはこのみのごとし、いんいのはなのくどくなどと、なってさんじゅうにそうを、そなえたもう、ないし、むけんちょうそうと、もうすは、しゃかぶつのおんみは、じょうろくなり ちくじょうげどうは、しゃくそんのみたけを、はからず、おんいただきをみたてまつらんとせしに、おんいただきをみたてまつらず、おうじぼさつもおんいただきをみたてまつらず、だいぼんてんのうも、おんいただきをばみたてまつらず、これは、いかなるゆへぞと、たづぬれば、ふぼ、ししょう、しゅくんをいただきを、ちにつけて、くぎょうしたてまつりしゆへに、このそうを、かんとくせり。
ないし、ぼんのんじょうともうすは、ほとけのだいいちのそうなり、しょうおう、だいおう、てんりんおうなど、このそうを、いちぶ そなへたるゆへに、このおうのいちごんに、くにもやぶれ、くにもおさまるなり、せんじともうすは、ぼんのんじょうのいちぶなり、ばんみんの、まんげん、いちおうの、いちごんにおよばず、すなわちさんぷん、ごてんなんどもうすは、しょうおうのみことばなり、このしょうこくをおさめ、ないしだいぼんてんのう、。さんがいのしゅじょうを、したがふること、ほとけのだいぼんてんのう、たいしゃくなどを、したがへたもうことも、このぼんのんじょうなり、これらの、ぼんのんじょう いっさいきょうとなって、いっさいしゅじょうを、りやくす、そのなかにほけきょうは、しゃかにょらいの、かきあらわして、このみこえを、もんじとなしたもう ほとけのみこころは、このもんじにそなわれり、たとへば、しゅしとなえと、くさといねとは、かはれども、こころはたがはず。
しゃかほぶつと、ほけきょうのもんじとは、かはれども、こころはひとつなり、しかればほけきょうのもんじを、はいけんせさせたもうは、しょうしんのしゃかにょらいに、あひまいらせたりと、おぼしめすべし、このこころざし、さどのくにまでおくり、つかはされたること、すでにしゃかぶつ、しろしめしおわんぬ、 p1123   まことに、こうようのせんなり、きょうきょうきんげん。
ぶんえいくねん      にちれん ざいごはん
しじょうさぶろうさえもんのじょうどの ごへんじ