投稿者:大仏のグリグリのとこ 投稿日:2015年 2月 1日(日)23時36分12秒  

戸田先生・池田先生の思想や足跡は、皆さんはよくご存知と思いますので、
ここでは創価の源流である牧口先生の思想と、三代の師弟論の要点を見ていきたいと思います。

牧口先生の著した「人生地理学」が出版されたのは、一九〇三(明治三十六)年、
牧口先生が三十二歳の時でした。

「人生地理学」は一〇〇〇ページにも及ぶ大著で、その内容は、地理・地勢だけにとどまらず、
人間社会の営みと地理の関係を語り、自然と共生を訴え、
さらに世界市民の自覚に立った新たな世界観の提示までが描かれています。

つまり牧口先生の考える地理学とは「人と地」の関係を読み解きながら、
人間が生きるうえでの世界観と生きる目的を与えていこうとする学問です。

そして人生地理学にみられる牧口先生の思想・学問の最大の特徴は
「人間・社会・自然」を統合的に把握していた点にありました。

この大著を読んで不思議に思うことは、
仏法で説く「依正不二(依報<環境>と正報<人間主体>は一体である)」の原理が、
この人生地理学にはすでに萌芽的ではありますが含まれていることです。

人生地理学を出版した当時は、まだ日蓮仏法とはめぐり合っていませんが、
人間がよって立つ環境を大事にしようとする考え方は、その後の「創価教育学」にも貫かれています。

別の言い方をすれば、牧口先生の学問は、
始めからその対象がつねに人間と生活を離れないものであったということです。

人生地理学のなかで牧口先生は、吉田松陰の
「地を離れて人なし。人を離れて事なし。人事を論ぜんとせば、まず地理を究めよ」という言葉を引用し、
人生地理学の『人生』を説明しています。

それは「人間の一生」と「人間の生活」の二つの意味があって
人生地理学の場合は「人間の生活」を意味しました。
つまり「人生」とは「人の生活」という意味です。

牧口先生は、晩年に日蓮仏法の信仰に入るわけですが、
この時の思考が人生と真剣に取り組んでいく中で、
一層仏法的な生き方へとふくらんでいったとも考えられます。

現在、環境破壊等の問題を契機にして生態学的な発想に立って、
人間と自然の調和を図っていかなければならないという考え方が世界中に広まっていますが、

識者の間で「人生地理学」の発想・視点が注目されているのも、
人間と自然を統合的にとらえているからだと思います。

そのことは同時に、仏法の「依正不二」の原理がますます関心を集めていく
ということでもあるのです。