2017年3月12日 投稿者:大仏のグリグリのとこ 投稿日:2017年 3月12日(日)09時04分30秒 通報 では、話を国土世間にもどしましょう。 【国土世間】 国土世間とは十界の衆生が住む「社会や環境」です。 一個の生命は、必ずどこかの国土(社会)のなかに現れます。 しかし、同じ国土(社会)、環境であっても、個々の生命との関係性に おいては、その境涯にしたがって同じではありません。 このように国土(社会)の〝違い〟を解き明かしているのが国土世間です。 たとえば、家族四人(父・母・兄・弟)が一つの家に住んでいたとします。 父は仕事、母は在宅主婦で学会活動、兄は予備校生、弟は中学生――。 それぞれ個々の生命における関係性や、社会と関わる環境も違います。 父は家族を養うために、職場で少々嫌なことがあっても我慢して仕事をしています。 そして、父は職場がちょっとでも楽しい環境になるために、同僚と信頼関係を築き、 会社に貢献できるよう喜び勇んで努力している。 この父の境涯はまさに菩薩界といえます。 母は常に「忙しい、忙しい」と愚癡ばかり、そして朝から晩まで時間に追われ、 そのくせ美食を好んで、昼は毎日グルメの旅――まさに母の境涯は餓鬼界。 一方、兄は大学受験で予備校通い。 朝から晩まで勉強でS大に合格することだけに心が支配されて、 自分のことしか考えない。まさに兄の境涯は二乗界。 弟は学校へ行っても同級生から〝いじめ〟にあっている。まさに弟の境涯は地獄――。 このように家族四人が同じ家に住んでいても、個々の境涯の〝違い〟によって、 世の中の見え方も違うし、住む家も違って見えているのです。 父からすれば、家は仕事の疲れがとれる癒された場所、 母は火の家、兄は虚空、弟は孤独で冷たい家――というように、 同じ家に住んでいても「見え方・感じ方」はバラバラです。 このように、それぞれ置かれた社会の関係性や環境が違います。これが〝依報〟です。 Tweet