投稿者:信濃町の人びと 投稿日:2016年 5月27日(金)11時50分2秒   通報 編集済
池田大作全集91巻
米国・モアハウス大学「最高学識者」称号授与式、第49回本部幹部会、第2回全国壮年部幹部会、第22回国際部総会 (2000年9月7日)より抜粋
■命ある限り邪悪と戦い続ける

あと百十六日で、二十一世紀が開幕します。(授与式の行われた九月七日から数えて)
いま、あらゆる次元で、過ぎゆく二十世紀の総括がなされております。

それでは、社会的、政治的、芸術的に見て、二十世紀に輝く最高の演説は、いったい何であったか?
アメリカの学識者たちが選んだ、今世紀の第一位のスピーチ。それこそ、モアハウス大学が生んだ「人権革命の大指導者」キング博士の不滅の魂の名演説だったのであります。(拍手)

時は一九六三年の八月二十八日。ちょうど、あのリンカーン大統領の「奴隷解放宣言」から百年後に行われた、歴史的な「ワシントン大行進」の集いでありました。場所は、リンカーン記念堂の前の階段であります。

若きキング博士は、二十五万人の大聴衆を前に、あの有名な言葉――「私には夢がある!」と叫びました。三十四歳の青年の獅子吼であります。
獅子吼してこそ青年である。邪悪と戦ってこそ青年であります。そして、私たちには「広宣流布」という夢があります。

キング博士は呼びかけました。
「わが友よ、私は皆さんに申し上げたい。きょうも、あすも、きっと、いろいろな困難や挫折に直面するだろうが、それでもなお、私には夢がある!」

「私には夢がある! いつの日か、この国が立ち上がり、真に、その信条のままに生きるようになる夢が! すなわち『すべての人間は平等につくられている――これは自明の真理だ』と考えるようになる夢が!」

(さらに「私には夢がある! いつの日かジョージアの赤土の丘の上で、かつての奴隷の子孫と、かつての奴隷主の子孫が、いっしょに兄弟として同じテーブルに着くという夢が!」等と続く)

キング博士は、この崇高な夢に生き抜き、壮絶に殉じていったのであります。

~略~

■青年の力で「牧口先生の夢」を実現

ここ東京牧口記念会館は、キング博士と同じように「平和と正義の夢」を掲げながら、獄死していった牧口初代会長を記念する殿堂であります。

狂いに狂った国家主義が死に至らしめた牧口会長こそ、二十世紀の日本が世界に誇るべき「最高の学識者」でありました。

~略~

きょうは、世界四十五カ国・地域から、SGI青年研修の二百五十人の皆さまが参加しております。遠いところ、経済的にも大変なところ、本当に、よくおいでくださいました。ありがとう!(拍手)

求道の心強き皆さまは、日蓮大聖人から「善哉、善哉」と最高に賛嘆される方々であります。
真の仏法者であります。偉大なる仏の直弟子の集い。広宣流布の闘士の集い。それが創価学会であり、本日も、その象徴であると申し上げたい。(拍手)

皆さま方、一人ひとりのことは全部、私の生命の奥深くに入っております。私は、「まさに起って仏を敬うがごとく」、若き指導者の皆さまを心からお迎えし、賛嘆申し上げたい。(拍手)

どうか、二十世紀の「キング博士の夢」を、そして「牧口先生の夢」を、わが世界の青年部の団結の力で、二十一世紀に断固として実現しゆくことを、私は心からお願いするものであります。(拍手)

新しき世紀は、一切、青年部にお願いするしかない。新しい人材にバトンタッチするしかない。青年部、よろしく頼む!(拍手)

カーター所長は先日、ある大学でスピーチしておられます。(米国ジョージア州のメーサー大学)

「今や、科学者たちは『″祈りはDNAをも変える″ということは、ほぼ、証明されうる』と考え始めています」と。(DNAは、デオキシリボ核酸のことで、遺伝情報が組み込まれている)

「祈りの力」が、どれほど偉大か。それを科学が証明しようとしている、と。

二十一世紀の科学と宗教を考えるうえで、まことに示唆深い発言であります。

■虐げられ、苦しむ人々の味方たれ

カーター所長は、「師弟」という最も気高い「精神の継承の道」に光を当ててこられました。所長は、キング博士の師匠である、モアハウス大学のメイズ学長を宣揚する名著も編纂しておられます。(『ウォーキング・インテグリティー(歩く高潔の人)』)

そこには、大教育者の珠玉の哲学がちりばめられています。たとえば、メイズ学長の、こんな言葉がある。

「よい宗教を見極める試金石とは、何か。それは、一番高いところにいる人ではなく、一番低いところにいる人に対して、どう振る舞うか。また、教育を受けた人ではなく、自分の名前すら書けない人に対して、どう接するかである」

じつに、奥深い慈悲の目線であります。広布の指導者も、すべての人に対して、このように接していただきたい。どこまでも謙虚に、また謙虚に、会員に奉仕し抜くことである。断じて増上慢になってはならない。

虐げられ、苦しんできた人々の味方になって戦う――これがキング博士であります。創価学会であります。ここに学会の最高の誇りがあり、強さがあります。

メイズ学長は、こうも言われる。
「大学は、スピーチや議論がうまい、利口な卒業生を送り出すだけでは、十分ではない。むしろ、我々が育てるべき人間は、公私にわたって信頼できる誠実な人間、そして、社会の邪悪と不幸と不正を鋭敏に感じ取り、その悪を正す責務を進んで引き受ける人間である」

まさに、人間主義の根本であり、仏法の真髄に通ずる言葉であります。