【学生部・教育部合同総会 平成三年九月三日(大作全集七十八巻)】

投稿者:河内平野 投稿日:2014年 9月14日(日)16時11分26秒 返信・引用

コメニウスは、現実社会の腐敗し、堕落した支配者たちへの鋭い批判をこめて、民衆を顧みない彼らの姿をこう表現している。

「ある者は下々の訴えをきくべき耳がなかった。
他の者は眼前の無秩序を見るべき眼がなかった。
他の者は暴逆者が真実をひっくり返そうとするのを嗅ぎとる鼻がなかった」(前掲書)

リーダーが《鈍感》であってはならない。
巧妙な《へ理屈》にだまされる《愚か者》であってもならない。
また、権威の横暴に甘んじるような《おひとよし》では、自分も、周囲をも不幸にしてしまう。

コメニウスは続けて
「他の者は下々の声を代弁すべき舌がなく、他の者は正義の判断を実現するはずの腕がなかった。
多くの者は正義が要請するものを行なうべき心臓がなかった」――と。

《舌》は「雄弁さ」、《腕》は「行動力」、《心臓》は「信念」「勇気」を意味しよう。
「改革の闘士」であった彼の言葉は、民衆のリーダーの要件を端的に表している。
また私が繰り返し訴えてきたこととも一致する。

悪を見抜く知性。
悪にだまされない賢明さ。
民衆の声を代弁する雄弁。
正義を断じて実行する信念と勇気。
――どうか若き諸君は、これらをあわせもった偉大な指導者に育っていただきたい。

民衆に渇望され、全員に慕われゆくリーダーこそが、今後ますます必要となる。
民衆から離れて、どんな地位に就いたとしても、それは幻であり、無価値である。

「民衆の時代」である。
ゆえに「民衆の要請に応える人」「民衆の声を叫びきれる人」でなければ、人々から支持されないのは当然である。

【学生部・教育部合同総会 平成三年九月三日(大作全集七十八巻)】