投稿者:河内平野   投稿日:2015年 3月14日(土)17時46分3秒     通報
戸田先生は、厳然と叫ばれた。

「人間にとって大切なのは、いかなる思想を持ち、いかなる行動をしているかだ。ゆえに人類最高の思想を学び、人々の幸福のために行動している創価の青年は、どんな人に対しても、胸を張って、堂々と、わが信念を語っていくのだ」

この立正安国の闘争が、19歳の8月24日から、私の一貫した青春、そして人生となったのである。

ホイットマンが若き弟子ホラス・トローベルに語った言葉が蘇る。

「私は、いつもは表に現れない、忘れられたような陰の人びとに、大きな尊敬の念を持っている。結局は、そのような目立たない無名の人たちが一番偉いんだよ」

誰が見ていようが、いまいが、人のため、法のため、社会のために、尊き汗を流しながら歩き、働き、戦う。

正義を叫びに叫び、一人また一人と、平和の連帯を広げていく。

その庶民に勝る「偉人」はいない。

この庶民が勝つ時代、庶民が凱歌をあげる時代こそ、ホイットマンも夢見た未来ではないだろうか。

その未来を、弟子のトローベルも、共に見つめていたに違いない。

ホイットマンは彼に全幅の信頼を寄せた。

「私はいよいよ君の若いはつらつたる肉体と精神に、私自身を任せようという心持ちになっている」

「(その重要な理由は)君が私を理解しており、単に熱心だけでなく、権威をもって私を代表してくれることを頼めるからだ」

トローベルが50代半ばのホイットマンに初めて出会ったのは、15歳の頃であった。

そして交友を深めるにつれ、師匠の手足となって、喜び勇んで東奔西走した。

さらに無数の悪口や無理解に晒され続けている師を支え、その真実を宣揚するために奮闘していったのである。

“師のために”行動することを最大の誇りとし、誉れとして──。

その誠実一路の生き方は、詩人の逝去後も全く変わらなかった。

ホイットマンの生誕100周年の日(1919年5月31日)、60歳になっていた弟子トローベルは、眼前に師匠がいるかの如く詩に詠んだ。

「(私トローベルは)あなたと倶に今でも種を播いているのです、播いて播いているのです」と。

これが師弟である。これが弟子の道である。

私もまた恩師・戸田先生にお会いし、求めて弟子となって64年間、片時も先生を忘れたことはない。

「師弟不二」の大道を、「常随給仕」の弟子の道を、まっすぐに歩み通してきた。

そして今、従藍而青の弟子たちが続いてくれている。

一点の悔いもない、我らの誇り高き大道である。