2014年11月14日 投稿者:河内平野 投稿日:2014年11月14日(金)09時06分53秒 通報 モリエールが生きたのは「フランス大革命」の一世紀あまり前。 絶対的権力をもった国王を中心に、王侯貴族、僧侶などの特権階級が《わが世の春》を謳歌していた時代である。 聖職者は貴族にも勝る「第一身分」とされ、とくに高位聖職者は強大な特権を握っていた。 (フランス革命が打倒した悪名高き旧体制のもとでは、 僧侶は第一身分、貴族は第二身分、それ以外の大多数の国民は第三身分と呼ばれていた) 彼らは、革命前の全国土の一割とも二割ともいわれる広大な教会領を持ち、 領民の収入の《十分の一》を税金として納めさせていた。 ふところは金がうなっていた。 民衆や社会のために使うわけでもない。 高位聖職者の大半が《有閑貴族》と同じだった。 すでに信仰心は片鱗もないのだから、私生活は乱脈を極めた。 贅沢で、放埓な暮らしも有名だった。 次元は異なるが、日蓮大聖人も「えせ聖職者」を厳しく破折された。 「立正安国論」には、「悪侶を誡めずんば豈善事を成さんや」(御書二一頁) ――悪い僧侶を戒めなければ、どうして善事を成し遂げることができようか。できるはずがない――と仰せである。 そしてその悪侶の姿について、涅槃経の文を引いておられる。 「外には賢善を現し内には貪嫉を懐く」 ――外面は賢く善なる様子を見せ、内面では貪りと嫉妬の心を抱く――、 また「実には沙門に非ずして沙門の像を現じ邪見熾盛にして正法を誹謗せん」 ――実際は僧侶ではなくして僧侶の形を現し、邪見が燃え盛り、正法を誹謗するであろう――と。 さらに、「飢餓の為の故に発心出家するもの」(御書二九頁)が現れる、との文を引いておられる。 要するに、《食うために出家する者》が現れる、と。 そして、こうした《利欲のための出家者》を名づけて「禿人」というのである、と。 《髪をそり、外見だけ僧の格好をしている者》のことである。 そのニセ出家者が、「正法を護持する人々」を迫害すると涅槃経では説いていると示されている。 形ではなく、正しい振る舞いをしてこそ、尊ぶべき僧宝であり、 法に反する悪しき振る舞いの者は悪侶であり、正法の敵であると、御書の多くの御文をとおして、大聖人は断じられている。 【海外派遣メンバー、各部代表者協議会 平成三年四月十二日(全集七十六巻)】 Tweet