【賢者とは誰か】池田先生指導②
投稿者:河内平野 投稿日:2014年11月13日(木)09時16分27秒

老いた者を養う――。
このことについて、司馬遷の『史記』には、
仁徳を厚くして老人を敬い、幼少の者を慈しみ、
賢者には礼を尽くしてへりくだり、食事の時間も惜しんで立派な人物に会おうと努めた。
このため、多くの人材が周の国に集まった、とある。

つまり「人道」――人として歩むべき道をはっきりさせ、
その「道」にもとづく徳政をしいて、国をつくったのである。

一方、殷の紂王は「道」を無視し、自分の私欲と感情を根本とした。
そうした独裁のために人心は離れ、周との戦いにも敗れた。

その事実を、大聖人は「周は老人を大切にして戦に勝った」と端的に表現されたと拝される。

老人を大切にすることは、功労者を忘れないことである。
「恩」に感謝することである。
また、知恵ある人を敬い、体験をもつ人を尊ぶことである。
さらに慈愛を社会に広げることにも通じよう。

野獣の世界でなく、「文化」と「人間性」の世界。
そのうるわしい「和合」「和楽」の結束が、周の勝利の因であった。
そしてその「功」によって、八百年もの間、国が栄えたのである。

学会も、これまで一貫して「一人の人を大切に」「一人の心を大切に」と訴え、行動してきた。

仏法を基調とする平和、文化、教育の運動をとおして、
「人道」にのっとった「慈愛」の波動を、大きく社会に、世界に広げてきた。

これが、大聖人の御精神を拝し、私どもが開いてきた広宣流布の大道である。
皆さま方の、今世における広宣の労苦は、どれほど輝かしき「根本の功」となって、自身の三世を照らしゆくこと
か。
また、子孫末代をも栄えさせていくことか――。

限りなく広がりゆくであろう未来から振り返れば、
今の皆さまのお立場は、いわば《信心の本家》ともいうべき、重大な源流となっていくことを確信していただきた
い。

【第四十回本部幹部会・第十七回全国婦人部幹部会 平成三年四月十日(全集七十六巻)】