投稿者:河内平野  投稿日:2014年10月12日(日)10時03分12秒
ユゴーは「一時的の権勢家が何をしようと、永遠の力が之に反抗する」(ユゴー全集第九巻)と、鋭く言い放っている。
彼はさらに、「木を根から離す事は出来る、日を空から離す事は出来ない。明日となれば曙の光が射す」(同前)と。

独裁者は、「追放」や「破門」によってすべてを奪い取ろうとしたが、この勇者の太陽のごとき人格、境涯だけは決して侵すことはできなかった。

この赫々たる《境涯の王者》――。
もとより次元は異なるが、日蓮大聖人の崇高なる御精神も、権力者、謗法者のいかなる迫害をもってしても侵すことのできない《境涯の大王者》の輝きを放っておられた。

そして牧口先生、戸田先生の遺された永遠の「学会精神」も、大聖人の御精神にまっすぐ連なっている。
ゆえに後継のわが青年部の諸君も、この不屈の学会精神を、今こそ胸中に輝かせて進みぬいていただきたい。

ところで、トルストイの破門は、トルストイに対する民衆の信頼を何とか失墜させようという大教院の策謀であった。
巨大な影響力の低下をねらった威嚇作戦であった。

一九〇一年二月二十二日、布告された教会の破門宣告文には
「聖大教院ハ正公教会ノ信徒ノ身ノ上ヲ思イ、有毒ナル誘惑ヨリ彼ラヲ保護シ、迷エル者ヲ救イ助ケント思ウ心ヨリ、伯爵レフ・トルストイ・トソノ反正教的、反教会的ナル似テ非ナル信仰トニ対シテ峻厳ナル判決ヲ下シ、教会ノ信仰ノ平和ノ破壊ヲ未然ニ防止センガ為」云々

と、トルストイを誹謗し、まったく強圧的、一方的に破門を正当化している。(大トルストイⅢ 勁草書房)。

しかし、このもくろみは、ものの見事に外れる。
モスクワのトルストイの家には、世界中の民衆から、また青年から、激励や共鳴、同情の手紙、電報が殺到する。
その数は何千通にも上ったという。

【全国青年部幹部会 平成三年十月二十七日(全集七十九巻)】