2017年8月5日 投稿者:赤胴鈴之助 投稿日:2017年 8月 5日(土)03時23分29秒 通報 21世紀への選択 「寛容と多様性」・・ 地球ルネサンスの精神 p55 「憎悪の連鎖」を断ち切るために P55 池田 先に私たちは、時代を「対立」から「共生」へと転換するための機軸となる「対話」の 精神について語り合いましたが、残念なことに、いまだ世界各地で紛争やテロが頻発して います。 テヘラニアン ええ、この前(一九九八年八月)も、国際社会に大きな衝撃を与える事件が起きました。 ケニアとタンザニアの米大使館を標的とした爆破テロに対し・アメリカがその報復措置と 今後のテロ抑止を目的として、アフガニスタン領内の「テロ組織の訓練施設」とスーダン の「化学兵器工場」を攻撃したのです。 池田 こうした事件は、多くの市民を巻き添えにしてきました。 同じころ、カトリックとプロテスタント両陣営が和平に合意していた北アイルランド でも、子供を含む双方の住民二〇〇人以上が死傷した、卑劣な爆弾テロが起きました。 こうしたテロという手段は、いかなる理由、どのような大義があろうとも、絶対に許され るものではありません。 テヘラニアン まったく同感です。 米大使館を狙ったテロ事件の実行犯は、イスラム過激派のグループとみられていますが、 そのテロで命を失った人々の大半は、アメリカとの抗争には直接関係のない、ケニアと タンザニアの市民だったのです。 一方、性急ともいえるアメリカの対応を見ると、世界のなかで富める側(アメリカ)と 貧しい側(スーダンとアフガニスタン)との戦争が始まったという印象が強いのです。 いわゆる”持てる側”の「北」と、”持たざる側”の「南」との争いが、もう一つの形 をとって現れている気がするのは、まことに残念なことです。 これは、軍事力の行使で解決がつく問題ではありません。 池田 たしかに、テロに対して”断固たる姿勢”を貫き、再発を防ぐことは最重要の課題で しょうが、その対抗手段として軍事力を用いることについては、あくまで慎重に考えて いくべきだと私は思います。 軍事力など「ハード・パワー」による問題解決というのは、一時的には有効にみえる かもしれませんが、長い目でみていくならば、大きな禍根を残しかねない性質を有している からです。 テヘラニアン 私もそう思います。 今日の国際社会が取り組むべき最大の課題は、お互いにスローガンの投げ合いをやめて、 世界平和を脅かしている貧困、無知、強欲という人間にとっての真の問題を解決する道筋 を考えることだと思います。 池田 戦争や暴力が生み出す悲劇というものは、なにもそのときだけのものではない。 憎しみが憎しみを呼び、暴力がまた新たな暴力を招いてしまうこのことは、これまで の歴史が示している重い教訓といえましょう。 こうした悪循環、「憎悪の連鎖」を断ち切っていかないかぎり、真の意味での平和は訪 れないし、人々の心に恐怖や不信がいつまでも消えずに残ってしまう。 互いのことを、初めから”対立する存在”として捉えるのではなく、何が障害になっ ているのか、何が対立を生み出しているのか・・・それを見きわめる作業こそが、まず求め られるのではないでしょうか。 そこから、平和への道も浮かび上がってくるはずです。 テヘラニアン そこで要請されるのが、「開かれた対話」の精神ですね。 それはまさに、池田会長がこれまで率先して取り組んでこられたものですが、これこそ、 二十一世紀において人類が進むべき方向なのです。 Tweet