投稿者:赤胴鈴之助 投稿日:2017年 7月29日(土)02時24分5秒   通報
人間の真価は「権力との闘い」に表れる P34

テヘラニアン
私自身、不当な理由で、一時身柄を拘束されたことがありますから、投獄

されてもなお信念を曲げなかった牧口・戸田両会長の偉大さは、よくわかります。

私はイランを出てアメリカに渡り、ハーバード大学で学ぶかたわら、イラン学生協会の

会長として、祖国の民主化運動に身を投じていました。

それで、イランの秘密警察から狙われていたのです。

一九七一年、三十四歳のときです。私は望郷の思いにかられて帰国を考えました。

両親からは帰国は危険だと忠告されましたが、ハーバード時代の学友でイラン政府の

要職に就いていた友人から、一緒に仕事をしてほしい」と頼まれたこともあり、勇気を

奮って帰ることを決断したのです。

池田
敢えて、そうされたわけですね。

テヘラニアン
ええ。イランに到着した日、私のパスポートを見た秘密警察の役人がブラ

ックリストのファイルを調べて、急に顔をほころばせました。

“反体制派のリーダーを捕まえた”と、喜んだのでしょう。

私は即刻、空港の警備室まで連れていかれたのです。

そのとき、通路の窓から、家族が手を振っているのが見えました。

私がすぐ手続きを終えて出てくるだろうと思っていた彼らの顔は、担当官に連行されてい

く私の姿を見て、みるみるうちに恐怖にひきつっていきました。

なぜなら皆、イランの残酷な独裁の歴史を知っているからです。

池田
「まさか」と心配されたのですね。

テヘラニアン
そこで私は、家族にメッセージを伝えることにしました。

「政府の友人の保証もあるので、心配はいらない。

いま、捕まっているのは誤解なのだから、皆は家に帰りなさい」・・・と。

しかし、「呼び出しに応じて、いつでも当局に出頭すること」「当局の許可なしに出国

しないこと」を約束させられ、以後七年間、常に監視されていました。

その後、仕事を始めたのですが、最初のうちは給料さえもらえなかったのです。

池田
胸に突き刺さる、真実の証言です。

牧口会長や戸田会長と同じく、私も無実の罪で投獄されました。忘れもしない、一九五

七年の七月、二十九歳のときです。

民衆運動の台頭恐れた権力が、まだ広範な運動になる前に、芽をつんでおこうと、私

を不当に拘置したものでした。

しかし、権力の弾圧には絶対に屈しなかった。

テヘラニアン
私は、創価学会の三代の会長の生き方に深い感動を覚えます。

なぜなら、三人とも個人的な苦悩を乗り越えながら、なおかつ、そこに安住すること

なく、人類のために徹して行動されているからです。そしてまた、崇高な美しい価値を創

造されているからです。

世界には多くの苦悩する人々がいますが、三代の会長のように「人類のためにた闘う崇高

な人生」へと、自分の生き方を転換できる人はごく限られています。