2017年2月1日 投稿者:寝たきりオジサン 投稿日:2017年 2月 1日(水)18時00分4秒 通報 (2002年2月11日横浜平和講堂) 健康セミナー講師 元日赤病院外科部長医学博士 森田修平先生 講演趣旨(講演を聞いてメモをまとめたものです) 健康には,「肉体の健康」と「心の健康」と「社会の健康」があります。という ことは,病気にも体の欠如だけが病気だけではなく,心の病気,社会の病気(公 害,薬害)があります。今日は「社会的健康」について話したいと思います。と いっても皆さんは体の健康の事を一番聞きたいと思っていると思います。最近は テレビなどでよくやるので,糖尿病とか,皆さんよく知っているのでやりません。 だがちょっとだけ触れておきます。人間は一人では生きていけない。両親がなけ ればこの世にうまれてくる事ができない。いろいろな人とかかわり合いながら生 きている。人間が,生まれて一番親の世話になるのです。動物は生まれてすぐ自 分で立って歩いて生きていきます。 人間は他人の世話になるのです。だから他人の事を考えて生きていかないと人間 として生きていけない。それが「社会的健康」ということです。池田先生と対談 した時,私たち医者は医学の事ばかり話していると,先生は「『教養ある食生活』 ということですね」と,一言でまとめて言われました。『教養ある食生活』とは, 塩分を減らす。取り過ぎると心臓病など血圧の病気になる。 胃潰瘍や胃癌が多くなる。腹八部が一番よく,食べ過ぎると良くない。三食規則 正しく食べる事が大切で,それは宇宙のリズムに合っているからだ。ホルモンの 関係で寝る前に食べると必ず脂肪になり太る。若い人は夜食をよくとるので気を つけてください。昼は自律神経がはたらき,夜は,自律神経は休み副交換神経が はたらく。宇宙のリズムと一致しているからだ。寝る前に食べるのは良くない。 私は栃木の山奥で生まれたので塩辛い物が好きでしたが,静岡生まれの家内の薄 い味付けに慣らされて,今は塩辛い物はあまり食べない。厚生省が昨年8月に発表 した寿命は,女85歳,男78歳。日本人が一番長生きしている。聖教新聞の名字の 言に,「長寿即健康なのか長寿即幸福なのか,そうではない」と書かれていた。 医学は人工呼吸器で喉に管を通して意識が無くても何時までも生きられる。1年は 生きられる。点滴を打てば食べなくても栄養がとれ,生きられる。太ることさえ できる。癌医学界で有名なモントリオール大学シマ学長が池田先生との対談で, 「医学は寿命をのばすことに成功したが生命に活力を与えることはできない」と 話されている。 食事が大事だ,よく噛んで食べる事。運動することも大事だが,寝る事も大事だ。 3日,断眠すると幻覚症状をおこす。疲れたら眠ることだ。最初受精した一つの卵 子がやがて60兆の細胞になる。みな宇宙のリズムだ。150億年前,宇宙ができて生 命体のリズムが始まった。40億年前に星が誕生して,地球に生命体が誕生した。 地球は24回まわり,太陽を360回まわる。人間もこの宇宙のリズムと一体である。 細胞分裂がおこって細胞に核があり,それが遺伝子であり,生命の設計図といわ れる。 人間が誕生したときに設計図は決まっており,その人の設計図の通りになってい き,遺伝子情報によって人間は作られていく。クローン人間は私の脳細胞から私 そっくりの人間が何人でもできる。一つ間違うと科学者は恐ろしい。イギリスで 羊のクローンを作った。遺伝子の組み替えがおこなわれる時,リズムが狂うと, 脳の無い子どもができる。 私も,そういう子どもを何例か診てきたが,親には言えないので難しい学名で言 う。無脳症の子どもが生まれるのは,母親がビタミンAの飲みすぎであることが 最近わかってきた。アメリカが一番多いのだ。ビタミンは自然からとるのがよい。 受精して2週間目で脳の細胞は作られる。日を追うごとに,人間として形が作ら れ,赤ちゃんが誕生する。 生まれた子どもは,宇宙のリズムによって成長する。人間が成長するのは20歳まで で,あとは老化となる。誕生,成長,老化,のリズムによってエージングする。死 を迎えるということは,その人の遺伝子の設計図によって決まっている。絶妙なリ ズムによって決まっていく。病気はリズムの狂いによって起こる。母親の腹の中で リズムが狂うと,変形した子どもが生まれる。 6本の指の子ども,4本の指の子どもがいて,その手術を何度もした。私たちは進化 してきて,遺伝子の情報を持っています。魚のようにエラを付けて生まれてくる子 どももいます。蛙のように指の間に膜を付けているのですが,成長する間に剥離す るのです。また魚のように顔の両側に眼が付いているのです。やがて眼が前を向く ようになる。 それが生命のリズムです。人間も犬も猫も猿も最初は皆同じ顔をしています。顔は 怪獣のようです。リズムが狂うと,人間の形になる前の遺伝子がそのまま残って生 まれるのです。人間は宇宙のリズムと一体であります。お母さんのリズムが狂うと 胎児が変形する。脳ができる時,手ができる時,足ができる時,すべてリズムにか なっている。 サリドマイド児は,手ができる細胞の時,睡眠薬を母親が飲み,リズムが狂って両 手の無い子どもが生まれたのです。ドイツでこの薬ができたので,ドイツが一番多 い。日本では200人くらい生まれた。映画になったサリドマイドのノリコちゃん は,足で食べることも着る事も,何でもする。すごいものです。やがて結婚して子 どもを産んだが,普通の健康な子どもだった。 やはり薬害で,睡眠薬を母親が飲み,ノリコちゃんは胎児の時,手の細胞のリズム が狂ったのです。皆さんは何時までも生きているような顔をしているが,生まれた ら必ず死ぬ。人間の遺伝子情報の中に全部ある。ある学者は「生まれた瞬間に人間 は死刑囚である」と言われました。遺伝子は30億ある。 このリズムが狂った時,病気になる。池田先生は『青春対話』で「宇宙の本源のリ ズムは万物を変化させるリズムである」と言われている。柏木哲夫という癌学会で 有名な先生がいる。ホスピスといって末期癌で苦しんでいる患者を,精神的に和ら げるということを始めた方である。その先生の言われることは私も同感である。 末期癌の患者は,今までの生き方が死に凝縮されている。人生を生きてきたように しか死ねない。たいていの癌患者は,生きながら,癌に細胞を食い荒らされて物凄 く苦しいので,親を恨み,友人を恨み,医者を恨む。その人の生き様が死の時の姿 になる。人を思いやる心の温かい人は,死ぬ時も感謝の気持ちをあり,安らかであ る。感謝の無い不平不満の人は,最後の死に様だけ良いものにはなりえない。 いかに生きている時が大事であるかである。日蓮大聖人は「先臨終の事を習うて他 事を習うべし」(御書1404㌻)と仰せです。宇宙のリズム,生命のリズムを整え ていくのが大事で,それが南無妙法蓮華経である。万物を動かしていくリズムで ある。日蓮大聖人の仏法の素晴らしさは何によって証明するか,それは,人間は誰 も避けることのできない,死によって証明できる。 それが大聖人の仏法の凄さを証明することである。今,癌は早期発見すれば完治し ます。学会員の場合は,題目を唱えて生命力が強いので,自然治癒力が旺盛にな り,普通では治らないと思われる患者も治った。それで,私が病院にいる時は, 日赤の森田の所へ行けば癌が治ると聞いてきた。聖教新聞に私の名前が出るので, それを見て北海道から九州まで,全国から末期癌の人もきた。 他の病院でメスを入れ開いてみて手術しても治らないから,また縫って閉じた末期 癌の人たちです。電話の人は全部断ったが,病院に来た人は断れないので,入院さ せた。婦長が反対して,「どうして末期癌の人ばかり入れるのか」,と怒ってい た。また「学会員は癌患者が多いのか」,とも言われた。多いわけではないが, 全国から集まってくるので仕方がない。私は入院した家族にキッパリ言った。 手遅れで手の施しようもない病状なので「必ず死にます」と。普通,末期癌になる と痛くて辛いので麻薬を使う(この場合法律で許されている)。それでも痛くて仕 方がないので,麻薬の量が多くなり,麻薬中毒になり体がブルブル震えるようにな ってきて,どうして治せないのかと,私たち医者を恨み,看護婦に怒り,地獄の苦 しみで,苦しみぬいて死んでいった。だが,学会員で題目を唱えている人は違う。 痛みが少ない。だから麻薬は一切使わなかった。そのため顔が黒くならないで, ゲッソリ痩せてしまうが,とてもきれいな顔だった。「臨終の時は,飛んでくるか ら」と婦長に言ってあるから,遠くへ出張の時以外は,飛んできた。99パーセント の臨終の患者の手を取って看取った。題目を上げ切った安らかで穏やかな素晴らし い臨終の姿に,いつしか涙がこぼれて仕方がなかった。 感動の涙ですね。題目の素晴らしさ,御本尊の素晴らしさは,宇宙の根本であるか らです。私は医学生の時騙されて創価学会に入ったのですが,今はこのご本尊に巡 り会えて本当に良かった。南無妙法蓮華経は宇宙の根本のリズムだから,題目を唱 える末期癌の患者が素晴らしい死に方をするから,癌であっても癌で死んだ(癌に 負けた)とは,私は言えない。医者は癌で死ぬ人が多い。 私も癌で死ぬかも知れない。だが,そんな事はどうでも良い。「お金をもうけた, 功徳だ」,「家を建てた,功徳だ」と言うけれど,信心していない人だってお金持 ちはいる。大きな家に住んでいる人は,いっぱいいる。そんなこと,はどうでも良 いのである。人間は死ぬ時,どんな死に様で死ぬのか。それが一番大事であると思 います。それは生きている時,どんな生き方をするかで,決まります。学会員が新 聞啓蒙をする。 電車に乗って仏法対話をしに行く。お金をもらいますか。もらわないですね。私も ここで講演するのに,一銭ももらっていない。それが大事なのです。どれだけ他者 の幸せにために尽くしたか,それが死に様に出るのです。祈り,走り,闘っている その生き方こそ尊い。最後の生き方に通じる。ご本尊に題目を唱える事ができるか ら,学会員は素晴らしい死に方ができるのです。 朗々と題目をあげてください。御本尊のない人は,入会して御本尊を頂き,題目を 唱えてください。素晴らしい人生を送ってください。 Tweet