投稿者:寝たきりオジサン 投稿日:2017年 1月22日(日)19時13分9秒   通報

(創価大学博士課程ギジェルモ・ラミレスさん男性32)
聖教新聞2006年6月27日

創価大学工学研究科の博士後期課程で情報システム学を専攻するアルゼンチン出
身のギジェルモ・ラミレスさん(男子部副部長)。国際標準に基づくコンピュータ
ー・セキュリティーの研究で、世界各地や全国の学会で研究発表を行う。

非常に専門的で難解な研究分野であり、日本ではわずかな専門家しかいない。そ
のため、ギジェルモさんの研究成果は、政府関係者や国内の最先端企業の注目を
集め、「ぜひわが社に来てもらいたい」と引く手あまたの状態だ。

◇◇◇◇◇

◇働いて働いて国立大学に進学・卒業

ギジェルモさんは、教育熱心だった父の影響で、8歳からコンピューターの勉強を
始めた。小学校時代にはすでに、プログラミングを学んでいた。

13歳の時、父が心臓発作で急死した。亡き父の「最高の人生を築くために、学び
ぬきなさい」との言葉を胸に、働きながら勉学に励むことを誓った。そして父の
遺志を継いで、SGI(創価学会インタナショナル)のメンバーになった。

中学・高校時代は、スーパーやコンビニの店員をしたり、新聞配達をした。高校
を卒業し、教員資格の取得後は、朝6時から税務署で働き、午後からは中学・高校
で数学やコンピューターを教えた。

夕方や週末には、プログラミングやソフトウエア開発の仕事と、昼夜もなく一心
不乱に働いた。

努力の甲斐あって、23歳で国立ノルデステ大学に入学した。故郷を離れ、入学後
も働きながら猛勉強に励み、3カ月で全試験を満点でクリア。通常5年間かかる学
部卒業を3年間で終えた。

◇地域でたった一人のSGIメンバーとして奮闘

経済的混乱の爪痕が今も残るアルゼンチン。母国を襲った経済危機は、銀行預金
の凍結や略奪事件の頻発などを招き、社会は荒廃した。身近にも解雇される人が
後を絶たなかった。

南北約3700キロ。日本の約8倍の国土面積。メンバーの家庭訪問自体が戦いだ。
片道数百キロの移動は当たり前だった。

ギジェルモさんも毎月、牙城会任務の時には、ブエノスアイレスの中心会館まで
約1000キロの道のりを、泊まりがけのバス移動で欠かさず通い続けた。

地域でたった一人のSGIメンバーとして奮闘。多くの友に弘教を実らせた。

◇働いて働いて創価大学留学の夢を実現

1993年2月、池田SGI会長がアルゼンチンを初訪問した。ギジェルモさんは、人生
の師匠との初の出会いを刻んだ。日本に行きたい!創価大学を見てみたい!

1999年、約4年間かけて日本への旅費をため、ギジェルモさんはSGI研修の参加
メンバーとして初めて来日した。創価大学も訪問することができた。この大学で
学びたい!その心を抑えることができなかった。

家族の稼ぎ手は母一人。経済的負担はかけられない。しかも留学生が創大で最初
に学ぶ「日本語別科」の入学審査は半年後。不可能なことのように思えた。

しかし、母はギジェルモさんの創大留学への思いを知り、心から応援してくれた
。ギジェルモさんも早朝から深夜まで、それまで以上に働き、学んだ。そんな努
力が実って、創大入学が決定した。

日本に発つ直前、父がお世話になった地区部長宅を、報告のために初めて訪れた
。その家は数百キロ離れていた。

「創価大学に行きます」。そう告げると、地区部長は驚いて言った。「君が創価
大学で学ぶことが、お父さんの夢だったんだよ!」

父といっしょに叶えた夢だったんだ!父が亡くなって10年目のことである。

その後、妹のナタリアさんも、2003年から1年間、創大日本語別科に学ぶ。妹の別
科卒業とギジェルモさんの修士課程卒業が重なった2004年3月には、留学後初めて
母を創価大学に迎えることができた。

亡き父の夢であった創価大学で、家族が笑顔で再会することができた。そして同
年(2004年)4月、ギジェルモさんは工学研究科博士課程に進学した。創価大学に学
ぶ外国人留学生としては初めてのことだった。

今、各地での仏法セミナーにも講師として積極的に参加し、男子部副部長として
、学会活動にも全力投球している。学会本部を厳護する本部牙城会の一員として
も奮闘する。

◇英知を磨くは何のため

ギジェルモさんが胸に刻む言葉は、創大のブロンズ像の台座に刻まれた指針「英
知を磨くは何のため君よそれを忘るるな」。

ギジェルモさんは現在、社団法人「情報処理学会」主催の全国大会をはじめとす
る国内での研究発表や国際舞台でも精力的に論文提出をしている。企業との研究
プロジェクトでは、毎月のミーティングを活発に行っている。

その研究は、「通常10人以上で取り組む必要がある研究を1人以上でやっている」
(創大工学研究科長・勅使河原可海よしみ教授)ほどの内容だ。創価大学は、こん
なに難しい研究をしているのか!そんな驚きの声があがるほどである。

母国語のスペイン語や、イタリア語、ポルトガル語、独学で学んだ英語、フラン
ス語、ドイツ語、そして日本語の語学力を生かし、世界に通用する研究者を目指
す。

今年だけでも、国際的な学会に論文を4本提出した。来学する企業のセキュリティ
ー関係者への説明など、多忙な研究生活を送る。

ギジェルモさんは語る。「私を成長させてくれた創価大学、そして創立者に、世
界一の研究でおこたえし、心からのご恩返しをしたいのです!」