2014年9月27日 投稿者:河内平野 投稿日:2014年 9月27日(土)14時23分51秒 返信・引用 先日、チェコの教育家コメニウス(一五九二年―一六七〇年)について日本でスピーチしたが(九月三日、学生部・教育部合同窓会)、彼は「人類の腐敗が救済されるものであるならば、それは青年の慎重なる教育によってでなければならない」と語っている。 彼は世の悪に憤っていた。 「(=宗教の名のもとに)憎悪と敵意と戦いと殺戮が横行している。 正義の代わりに不公平、詐欺、圧迫、偸盗、強奪が行われている。 純潔にではなしに、不純、及び傍若無人の思想、言葉、行為が横行している。 単純性と真理とではなくて、嘘言、虚偽、破廉恥がのさばっている。 謙譲の徳の代りに、人と人との間の高慢、不遜がみなぎっている」 本来、人を幸福にすべき宗教の名のもとに、人々を苦しめる蛮行が続けられている――と。 本当に宗教には、恐ろしい面がある。 コメニウスは、そうした宗教戦争の荒廃を教育によって癒そうとしたのである。 彼の意識は、初めは「祖国(=モラビア)のため」「わが教団のため」であったが、やがて「全人類のため」「世界のため」に広がっていった。 何もかも、どうしてこんなに「堕落」してしまうのだろうか? コメニウスならずとも、われわれもそう叫びたい現実が、あまりにも多い。 彼は「一切の堕落の根源は無知にある」とした。 そして社会の三要素、すなわち学問(人と物の関係)、政治(人と人との関係)、宗教(人と絶対者の関係)の堕落を「普遍的な理知の光」で救おうとしたのである。 理性に照らされない学問、政治、宗教は、暗黒となると。 そして闇の中では、必ず《魔もの》が増えていく。 青年が理知を鍛えるかぎり、文明は「逆行」しないのである。 また「逆行」させるようでは、青年でもなく、教育でもない。 仏法を基調に、教育、文化、平和の運動を進め、人々に普遍の光を送っているSGIの運動の正しさを、この点からも確信していただきたい。 世界の真の「民主」と「人権」の時代へと進んでいる。 この流れを、絶対に逆行させてはならない。 【ボストン勤行会 平成三年九月二十七日(大作全集七十八巻)】 Tweet