2014年9月25日 指導者論② 投稿者:河内平野 投稿日:2014年 9月25日(木)13時51分17秒 返信・引用 皆さまも、個人指導の名人、生命と人生の名医であっていただきたい。 人の心は本当にデリケートである。どうすれば、皆が心から納得し、強い心で勇んで進めるか。 問題は、人と場合によって多様であろう。相手の性格もまちまちである。ゆえに経験を積むしかない。 また教学を身につけ、自身の信心を磨く以外にない。 そして、相手のことを祈り、思う慈愛の心を根本に、賢明な名指揮をお願いしたい。 「一人」の心をつかむ人は「万人」の心をつかむことに通じる。 その鍛えあげらた「人間性」に仏法の核心もある。 みずからも戦死することになる最後のトラファルガーの戦い(一八〇五年一〇月二十一日)では、決戦が迫った午前十一時過ぎ、ネルソンは旗艦のマストに高々と信号旗を掲げた。 有名な「イギリスは、各々が、その責務を果たすことを期待する」との、この信号旗は、戦いの間ずっとひるがえり、戦意を鼓舞し続けた。 彼はみずからも重傷を負いながら、渾身の力で指揮を執り続けた。その「勇気」に、皆が奮いたたずにおれなかった。 そして、ついに「大勝利」の知らせが、横たわる彼のもとに届けられた。 その瞬間、「感謝する。私は責務を果たした」と叫び、まもなく息絶えた。 味方の船を一隻も失うことなく、敵艦二十隻を捕らえ、一隻を爆破するという完全勝利であった。 一方、ナポレオンの海軍力は致命的なダメージを受けた。 「責務を!」――と。 人間の価値は、自分が《なすべきこと》を確実になすところにある。 ネルソンはどんな敵の前にも、へこたれなかった。退かなかった。 「何としても」という責任感をもっていた。そこに、彼の真骨頂があった。 勝利をあせるあまり、人々を《追いつめる》ことはいけないが、何ごとも「勝たせる」のがリーダーの要件であり、慈愛である。 あの人とともに進めば、必ず「勝てる」――その常勝将軍に人はついてくるのである。 そのためには、だれよりも「真剣」「熟慮」「雄弁」「行動」の人でなければならない。 【第一回日米交流研修会 平成三年九月二十三日(大作全集七十八巻)】 Tweet