2016年12月2日 投稿者:まなこ 投稿日:2016年12月 2日(金)18時05分38秒 通報 【池田】 おっしゃることの意味はよくわかります。そこで、さきに述べた“依正不二”の原理からいえば、宇宙生命それ自体に内在する力と法が宇宙の内奥から徐々にその働きを顕在化するにつれて、“正報”としての各生命主体が個別化し、同時に“依報”としての環境が形成されるということになります。 遺伝現象においても、このような観点から生物体と環境条件との相互関係に着目して研究を進めるならば、新しい方向が見いだせるのではないかと考えられます。 そうした新しい遺伝学を考えるための先例としては、精神身体医学などがあげられるでしょう。周知のように、従来の医学は物質(身体)と精神を分離する二元論を基本的な立場として発達してきました。しかし、精神身体医学は物質と精神との相互関係に目を開くことによって、まったく新しい人間生命の像を浮かび上がらせようとするものです。同様に、遺伝学にあっても、生命主体が――もちろん遺伝子の働きによる影響を受けながらも――その環境と密接な関係にあるという事実に立脚するとき、新たな貢献をすることになるのではないかと考えるのです。 【トインビー】 そうした新しい遺伝学が発達することは、今後十分に考えられることですね。 Tweet