2016年9月24日 投稿者:ニャンコ先生 投稿日:2016年 9月24日(土)11時11分31秒 通報 編集済 #紙面はこちら! 【話題の朝日新聞から怪鳥のニョゼソウ~わりい~w 】 http://6027.teacup.com/situation/bbs/56793 …………………………………………………………………… 理想を掲げる宗教。現実の世界を動かす政治。創価学会=キーワード=はその二つの領域に関わる。巨大な宗教法人として、また、自民党と連立を組む公明党の支持母体として影響力は大きい。そもそも宗教がなぜ政治に関わるのか、「平和」の問題をどう考えているのか。現在のポストに就いて10年を迎える原田稔会長に話をきいた。 ――池田大作名誉会長は88歳。最近は表立った活動を控えています。体調はいかがですか。 「元気にしておりますよ。執筆活動などに専念しています」 ――最近はいつ会いましたか。 「ええ、この夏の研修で」 ――重要な判断も可能なのですか。 「もちろんです。ただ、数年前からは、基本的に運営は執行部に託し、見守っています」 ――いま、意思決定の過程はどうなっているのでしょう? 集団指導体制なのですか。 「そう理解していただいていいんじゃないでしょうか。私をはじめとする執行部内で相談しつつ、大きな方向性を定めています。とはいっても重要な問題もありますから、執行部は名誉会長に報告すべきことは報告し、指導を受けています」 ――原田会長が重い判断も下しているのですね。 「任されている立場として、きちっと責任を果たしていく。二つの肩にかかるものはなかなか重くてねぇ、背が少し縮んだ気さえします」 《「平和主義」「人間主義」を掲げ、核兵器廃絶の運動や難民支援活動などを行っている。》 ―― 一方で、創価学会には「わかりにくい」との声もあります。どのような行動原理なのですか。 「朝夕の勤行・唱題の最後に『世界の平和と一切衆生(しゅじょう)の幸福のために』と祈ります。科学がいかに発達しても、人は生老病死(しょうろうびょうし)という苦しみからは免れることはできませんよね。人間の苦悩を根本的に解決し、希望ある人生を送る。仏法では他者の幸福を願い、行動することによって自らも幸福になる。自身の幸福は社会の平和がなくては達成できません」 「これは宗祖である日蓮が鎌倉幕府に示した『立正安国論』で強調しています。立正とは『生命尊厳』の理念が社会に確立されること。安国とは人々が安心できる平和社会を実現すること。日蓮の思想には世界の民衆を救うという目的がある。私たちが国内にとどまらず『世界宗教』を目指すのもそれが根本にあるからです」 「人間疎外の状況が深刻な現代こそ、自分と同じように全ての人をいつくしむ慈悲の精神が社会から求められると思います。『自他共の幸福』を掲げ、よりよい社会への変革を目指しているのです」 ――宗教が政治や選挙に深く関わることには批判もあります。 「政治に関心を抱くのは、宗教者の社会的使命として自然なことです。乱世こそ、人格が優れ、高い理想を持った政治家が必要です。他党に先駆けて『大衆福祉』を掲げた公明党には国民のために奉仕してもらいたいので、選挙という形で応援しています」 ――会長が公明党の山口那津男代表らに、考えを伝えることは? 「まったくないかというと、そうではない。山口代表は後輩でもあり、意思疎通は図っています。これでもかなり自制しているつもりですけど」 ――池田名誉会長は歴代首相と会っています。会長は安倍晋三首相に会っていますか。 「いや、そういう機会はあんまりございません」 ――少しは会っているということですか。 「政策や政局については、すべて党がやってますから。新年のレセプション等で会うことはありますよ」 《学会は2014年5月、安倍首相が主導した集団的自衛権の行使容認に関して「本来は改憲手続きを経るべきだ」と広報室コメントを発表。だが2カ月後、閣議決定を受け入れた。》 ――平和に対する立場を変えたのですか。 「いえ、まったく変わっていません。あのコメントは『本来は』と条件付きです。公明党は、集団的自衛権発動の新3要件に『明白な危険』などの言葉で歯止めをかけた。憲法の平和主義、専守防衛の枠内に収めることができたと評価しています」 ――国民が納得しにくい論戦が目立ちました。国会審議をどう見ていましたか。 「振り返ってみると、もうちょっと知恵が出てしかるべきだったな、と思いますよ」 ――昨夏の反対デモに会員の姿もあったことはどう思いますか。 「ごく一部の会員の方がいろんな意見を持つことは当然あるでしょう。ただ、会員以外の方が学会の三色旗を掲げて騒ぐようなことがあったとすれば迷惑な話です」 「私も60年安保闘争で国会に突入した学生の一人です。しかし当時は騒然としたムードに流され、安保条約そのものを理解していませんでした。私自身にも反省があるわけですよ。昨年のデモに加わった方にも、総合的に見極めていただきたいですね」 ――ところで、学会に対しては「閉鎖的」といった批判もあります。60~70年代には、学会を批判する出版物の流通を阻止しようと圧力をかけたとされる「言論出版妨害事件」がありました。 「あの問題で、社会とのあつれきを経験しました。さまざまな誤解もあるのですが……。ともかくそれを通して、当時の池田会長が『社会から愛される学会にしよう』という大方針を出しました。それ以来、会員がそれぞれ努力しながら今日に至っているわけです」 ――多くの宗教団体は伝統仏教も新宗教も、例えば平和というテーマで一緒に行動しています。学会はそういう場面が少なくはないでしょうか。 「そのような印象を受けられるかもしれませんが、海外では諸宗教と盛んに連携していますよ。国内でも核廃絶や防災などで他の団体と協力しています。平和の実現や社会の発展のために対話し、協力することは大事なこと。より開かれた学会として取り組んでいきます」 ――将来、連立政権で「公明党の議員を首相にしようか」となったらどう考えますか。 「万が一、そういうことがあっても、それはそれでいいのではありませんか。学会の信者に首相を任せていいか、と議論が沸騰するでしょう。それも承知のうえで判断してくださるのなら、受けなければならないと思いますよ」 ――安倍首相は憲法改正に積極的な日本会議と親和性があり、復古主義的だとも指摘されています。学会とは本来、相いれないのではないですか。 「そのあたりはあまり心配していません。改憲運動を進める動きはありますが、憲法改正についても安倍首相は現実的に、賢明に判断なさるだろうと思いますよ。ただ、日本国憲法の3原則(国民主権、基本的人権の尊重、平和主義)は永遠に堅持すべきです。9条は、いま、ただちにどうこうする必要はないでしょう」 ――とは言え、安倍首相の政権運営は強気です。現実政治に流されブレーキが弱まる心配はありませんか。 「私たちは、極端な原理主義と現実への妥協主義のどちらにも走らず、中庸・中道を進もうとしている。宗教的な理想はいささかも揺るがず、社会変革に挑戦していると理解していただけるとありがたい」 (聞き手・磯村健太郎、編集委員・曽我豪) * はらだみのる 1941年生まれ。東京大学卒。64年から学会本部で勤め、庶務室長や事務総長などを歴任。2006年11月に第6代会長に就任。現在3期目。 Tweet