投稿者:無冠 投稿日:2016年 9月 8日(木)05時30分31秒   通報
全集未収録のスピーチ144編の各抜粋(聖教新聞 2006.5~2010.4)を掲示します。

2008-5-4 【広布第2幕 第8回全国青年部幹部会 創価教育同窓の集い・未来部総会】

■ 一、きょうは、創価同窓の皆さんが集ってくださった。
皆、ずいぶん年を取ったね!(笑い)
でも、まだまだ若い!(大笑い)
皆さんとお会いできて、私は本当にうれしい。きょうは、よく来たね! ありがとう!
皆さんが帰ってくるのを待っていました!(大拍手)
この中で、在学中、教員から、ほめられたことがある人はいますか?〈何人かが手を挙げた〉
在学中、教員から叱られたことがある人は?〈また何人かが手を挙げた〉
真剣にかかわってくれた人のことは、深く心に残るものだ。
ともあれ、教員の先生方も、いつもありがとうございます。今後とも、よろしくお願いします。

● 名優のごとく!
一、きょう参加した皆さんの中には、お父さん、お母さんを亡くされた方もいると思う。
その人は、自分が「お父さん、お母さん」になったつもりで、親を「わが子」と思って、心の中で対話していきなさい。
一年中、そして一生涯、お父さん、お母さんのことを大事に思っていきなさい。
そして、亡き親と、何でも一緒に喜び合っていくことだ。
親が健在の人は、お父さん、お母さんを讃えてあげてはしい。親孝行をしてあげてほしい。
言葉は大事だ。言葉は「ただ」だから、何でもいいから親を喜ばせてあげることだ。
きょうは未来部、青年部の皆さんも参加している。
親とは年齢が違うのだから、多少、意見が合わなかったり、叱られたりするのは仕方ない。
たとえば、「お前、きょうは忙しいのか」と聞かれたら、「いえ、お父さん、お母さんの言うことなら、何でも聞きますよ。何でも言ってください!」──こう返事をすることだ(笑い)。
口のきき方や行動一つで、お父さん、お母さんは安心する。
それを、ツンとして、文句ばかり言って、お父さんを苦しめたり、お母さんを悲しませたりする。どんなに立派な学問を修めても、それでは愚かである。
きょう家に帰ったら、「お父さん、お母さん、きょうは大事な会合に行ってきました。うんと頑張って親孝行しますから、長生きしてくださいね」と、優しい言葉をかけてあげてほしい。
親は、どれほど、うれしいか。
子どもの成績が良ければ、「よかったね」と一緒に喜ぶ。成績が悪かったら、「いいよ、いいよ、これからだ」と温かく励ます──これが父親です。母親です。
親の心もわからない。感謝もできない。それでは、何のための学校か、何のための勉強か、わかりません。
ただの形式だけの教育、偽りの教育になってしまうと思うが、どうでしょうか?〈参加者から「ハイ!」との賛同の返事〉
同じ生きるなら、喜んで皆と一緒に生きるのだ。親も喜ぶように。きょうだいとも仲良く。それが世界最高の人間教育を受けた皆さんの、宝の心の行動です。
現実は、なかなか大変かもしれない。しかし、自分自身が人生の「名優」となればいい。
自分の振る舞いで、心で、素晴らしい人生をつくっていけばいいのです。

● 豊かな智慧を
一、創価同窓の友は、世界の数ある大学、数ある学校の中から、私が創立した大学と学園に集ってくださった。
どれほどの責任が、創立者にはあるか。
全員が立派になり、全員が親孝行をし、全員が勝利者になってもらいたい。私は、いつもそう願っています。
お金があるとか、ないとか、それで人生の勝利は決まりません。お金がいっぱいあっても、悪いことをする人間は、たくさんいます。
大事なのは「心」だ。価値ある人生を生きるための「智慧」だ。
どうか、全員が「勝利者」になってください!〈会場から「ハイ!」と元気な返事が〉
一、本日の式典に寄せて、延安大学の廉振民学長から丁重なビデオメッセージをいただきました。謹んで御礼申し上げます。ありがとうございました(大拍手)。

一、先日、長野市で開催された北京オリンピックの聖火リレーでは、60番目のランナーとして、わが創価同窓の女性も、さっそうと走りました。
今、創価女子短大・創大出身者が、あちこちで活躍している。本当にうれしい。
平和の祭典の大成功を祈りつつ、同窓の皆さんにご報告させていただきます(大拍手)。

● 新時代の人材群
一、また、世界的な若き名優オーランド・ブルームさんも、青年部の一員として力強く毎日、前進している。私も、お会いしました。
彼は、世界中を沸かせる映画に出演するとともに、広宣流布の組織では、最前線の男子地区副リーダーとして健闘されています。
サッカーの王者、イタリアのロベルト・バッジョさんも、欧州青年部の総会に駆けつけて、5000人の若人に”師匠・池田先生に喜んでいただける人生を、ともどもに勝ち取ろう!”と呼びかけてくださった。
また、アメリカSGIのバネッサ・ショー女子部長も、ハリウッド女優として活躍しながら、創価の乙女のスクラムの先頭で乱舞している。
今、海外では、信心強き素晴らしい人材が活躍している。新しい時代の底流が築かれつつある。未来は明るい。
日本も、海外に負けないで頑張ってください。

一、大事なのは、広宣流布の組織を破壊する悪人とは、断じて戦い抜いていくことです。
正義の人間が団結して、外の敵とは戦い、内部の悪人は叩き出していく。これが仏法です。
御書にも、仏法破壊の敵とは戦えと、はっきりと書かれている。
〈「法華経の敵を見ながら、放置して責めなければ、師匠も弟子もともに無間地獄に堕ちることは疑いない」(御書1056ページ、通解)、「どのような大善をつくり、法華経を千万部も読み、書写し、一念三千の観念観法の道を得た人であっても、法華経の敵を責めなければ、それだけで成仏はないのである」(同1494ページ、通解)等〉
どんなに自行に励んでいても、敵と戦わない、折伏もしないのでは、本当の信心とはいえない。”形式の信心”に過ぎない。
極端に言えば”ごまかし”の信心なのです。

一、ともあれ、創価同窓の皆さんは、きょうからまた10歳若くなる決心で、親孝行をし、社会で挑戦していってもらいたい。
偉くなろうが、偉くなかろうが、どんな立場でもかまわない。
とにかく、自分自身に勝ちなさい。
自分自身が悔いなく、満足できるような人生を生きなさい。
どんな時でも希望を持って進んでほしい。
そして、青春時代の同志との結合の決意だけは、忘れないでください!〈会場から「ハイ!」との力強い返事が〉

■ 巴金先生は、「私の唯一の武器は、『誠実に話す』こと」とも述べておられます(石上韶訳『巴金随想録』筑摩書房)。
この一点に、私は本当に共鳴しました。
私のモットーも、「誠実」です。
インチキ、策略、陰謀──人間の心には、ともすれば、誠実とは正反対の濁流が渦巻いている。増上慢や傲慢の人間に、負けてはいけません。
誠実の人が最後の勝利者になるのです。嘘や、はったり、ごまかしなど打ち砕いて、誠実で進むのです。
今こそ、若い皆さんが躍り出る時です。同じ生きるなら、何事でも「トップ」を目指すのです。それが人生です。
周りに左右され、臆病になって、逡巡していてはいけない。
遠慮などいりません。先輩を乗り越え、力をつけていくのです。そこに発展がある。
「生きるか殺されるかの、この闘争にあっては、旺盛な生命力がなくてはだめだ」(同)
これも、巴金先生の叫びです。
すべては「生命力」で決まります。生命力があれば絶対に負けません。
その生命力の根源が、妙法の題目なのです。

● 「師匠の心」をわが心として
一、40年前、激しい圧迫の嵐が吹き荒れるなか、私は日中の国交正常化を、勇気をもって提言しました。
どれだけの反対があったか。非難、中傷があったか。危険を避けるため、自宅にいられないことさえあった。
しかし、私は戸田先生の弟子です。戸田先生も、また牧口先生も、日中友好を念願しておられた。私は、師匠の心の苦しみを知っています。
かつて日本は、この、一番の大恩人の国を侵略した。とんでもないことだ。その歴史は、あまりにも重い。
私の「日中国交正常化提言」は、あらゆる障害を突破して、両国の青年のため、未来の友好を開きゆく、生命を賭した挑戦であった。
この思いはまた、私の青春時代からの信念でした。若き日より私は、中国をはじめ全世界に、絶対の信頼の「金の橋」をつくりはじめたのです。
いかなる乱世にも揺るがぬ、この誇り高き人間の尊厳と勝利の旗を、私は若き君たちに、きょう託したい。わが行動の哲学を、創価の哲学を、諸君には学んでほしいのです。
中国とは、永遠に、永久に、一体不二の心と心で、信義の友情を結んでいかなければ、日本の将来は危うい。このことを強く強く訴えておきたい。創大の先生方にも、お願いしておきたい。
アジアの国々を軽視するのは、本当に傲慢で愚かなことだ。「世界」を知らず、「仏法」を知らず、「歴史」を知らないのである。

●「目標を定めて努力し、学べ」
一、「日本全国、また、世界の20の国・地域から勇み集ってくださった創価同窓の皆さん方に、重ねて、心から「ご苦労さま! ありがとう!」と申し上げたい。
皆が立派に成長している姿を見て、私はうれしい。
今、経済的に大変な人もいるかもしれないが、戸田先生は、よく言われていた。お金は世界中を回っている。智慧と努力と福運さえあれば、いくらでも入ってくるものだ──と。「頑張れ!」とエールを送りたい。
かつて貧乏で苦しんだ友が、悠々たる幸福境涯をつかんだ例を、私は無数に知っている。
ともあれ、さらに力強く躍動しながら、全国の青年群の先頭を切って、きょう集まった皆さん方が、頑張ってほしい。
そして、希望光る人生を築いていこう! 勝ち取っていこう!(会場から「ハイ!」と力強い返事が)
崇高な貴・延安大学の初代学長であられた呉玉章(ごぎょくしょう)先生は、烈々と叫ばれました。
“青年は、第一に、大いなる志を立てよ。第二に、徹して力をつけよ”
“戦う目標を定めて、努力し、学び、実践するのだ”
創価の青年も、この決心で断固、勝ち進んでいこう!

■ 一、日蓮大聖人は仏法史の上から、日本は中国と韓国の弟子の国であると、明確に説かれております。
その、いわば師匠にあたる国々に対して、見下して、戦争し、属国のように扱った。とんでもない思い上がりだ。中国と韓国を侵略した罪は、決して消えない。
きょうは、「文化大恩の国」韓国からも、偉大な詩心の先生方をお迎えすることができ、本当にうれしい。ありがとうございます(大拍手)。
私と妻が敬愛してやまない、世界文人協会の金天雨(キムチョヌ)理事長は、名高い詩人であられる。
金理事長は明快におっしゃっている。
“宇宙の大いなる力は磁力と同じで、私たちが暗い心、鋭い短剣の心を抱いていると、暗い力が竜巻のように押し寄せる。
明るく清らかな心、肯定的で美しい心を携え生きていくならば、大きな力と祝福が自身にも押し寄せてくる”と。
仏法では、「心こそ大切なれ」という一点に結論が要約されています。
汝自身の心に、世界を変え、大宇宙と呼応しゆく力がある。青年部、未来部の皆さんは、わが生命の最高の宝を磨き、鍛えていくことだ。
これが勉学の道である。これが親孝行の道である。
そして、これが「世界広布」即「世界平和」の闘争であることを忘れてはならない。
道は、近くにある。遠くにあるものではない。

● 私には信じられる君達がいる!
一、私の人生の師匠は戸田城聖先生である。
きょう、ここにはおられない。しかし、私は1年365日、朝から夜中まで、先生のことを忘れることはない。
心は常に先生と一緒!──そうやって私は何十年間も戦ってきた。
先生は、『三国志』の英傑・諸葛孔明を謳った「星落秋風五丈原」の歌が、大変にお好きでありました。私が見つけ、青年部で先生にお聞かせした、思い出深き歌であります。
諸葛孔明の人生の劇にあって、最後の戦場となった「五丈原」は、貴・延安大学と同じく、陝西(せんせい)省にありました。
恩師は、孔明の苦心孤忠の心情を偲ばれながら、「惜しいことに、孔明には人材を育てる時間がなかった。しかし私には、大作という真の弟子がいる。そして大作に続く無数の青年がいるから強い」と言われたのであります(大拍手)。
恩師が期待された通りに、”創価青年学会”は見事に築き上げられた。
私には皆さんがいる!
絶対に信じられる君たちがいる!
ゆえに広宣流布の未来は盤石である!
こう確信しております。

■ 一、いにしえの延安に足跡をとどめた、世界的に有名な唐の大詩人・杜甫(とほ)は強く強く叫んだ。
「勇猛を心の極と為す」(鈴木虎雄訳註『杜甫全詩集第4巻』日本図書センター)
「勇気」こそ最極の心なり!
勇気をもつのです。
「今の青年は、勇気がない。そして、ずる賢くなっている」。こう憂える教育者がいた。
本当の勇気──それが慈悲である。このことを、戸田先生から、私は徹底して教わり、実践してきました。
きょうからは、「勇気」即「慈悲」を忘れないでいただきたい。「勇気」と「慈悲」の宝剣を、わが生命に持ってもらいたい。
勇気のない人間は、ずるくなる。卑怯になる。
若き君たちよ、勇気で勝て! 勇猛の心で勝て!──この師子吼を、大切な大切な、私の宝である皆様方にお贈りして、記念のスピーチを終わります。謝謝(シェシェ)!(中国語で「ありがとうございました」)(大拍手)
(2008・5・4)
※編集部として、名誉会長の了承のもと、時間の都合で省略された内容を加えて掲載しました。