投稿者:大仏のグリグリのとこ 投稿日:2016年 7月26日(火)15時00分30秒   通報 編集済
天台は止観のなかで「病の起こる因縁を明かすのに六種類ある。

一には四大(地・水・火・風)が順調でないゆえに病む。
二には飲食が節制されていないがゆえに病む。
三には坐禅が正しく調(ととの)わないゆえに病む。
四には鬼が便りを得るゆえに病む。
五には魔の為すところゆえに病む。
六には業の起こるゆえに病む(通解)」(同頁)

と述べています。

因縁の〝因〟とは結果を生ずべき直接的な原因です。
〝縁〟とは因を助けて結果に至らしめる外的・間接的な原因ということです。

一切の現象はこの因と縁が和合して生滅を繰り返しているのです。

では、この六つの病の起こる因縁を見ていきましょう。

■一、四大(地・水・火・風)が順調でないゆえに病む。

仏法では宇宙の構成要素を〝地・水・火・風〟の四大と捉えていて、
人間もまたこの四大から構成されていると説いています。

つまり、四大とは色法(物質、形や色のあるもの)を構成する四種の元素・要素のことで、
自然の運行や身体の構成要素が乱れていることから起こる病です。

人体を構成する

〝地〟は、固さやものを保持し作用することをもって自性とし、筋肉・骨・歯・爪・髪などはあたります。

〝水〟は、湿りけやものを摂(おさ)めて集める作用を自性とし、血液やリンパ液がそれにあたると考えられています。

〝火〟は、熱さやものを成熟させることを自性とし、人の体温にあたります。

〝風〟は、動きやものを生長させる作用を自性とし、人の呼吸などです。

その四大が順調でないことから起こる病気とは、
たとえば、発熱・ねんざ・筋肉痛・疲労・熱中症などがそれにあたると思います。