投稿者:コモンセンス 投稿日:2016年 4月 1日(金)11時00分16秒   通報
「M木さん、あれから、もう三年は過ぎてしまいましたよ。結論を出さずに、うやむやで終わらせてしまうのは、どうも感心しません。この三年間は、果たして“黄金”だったのでしょうか。それとも幻でしかなかったのか」
「先輩に、そう突っ込まれると弱いですね。お手柔らかに」
「まあ、まあ。それに、あの頃は、よく“発迹顕本”という言葉が飛び交っていたような気がするんです。会合でも、これを言わない幹部はいませんでしたからね」
「そうでした」
「ずっと、私も考えているのですが、決して幻などではなかった確信しているんです」
「ほお、それは聞いてみたいですね」
「ズバリ言ってしまえば、学会に、現在のこうした異常事態が生まれてきたことこそ、まさしく“黄金の三年”だったと思うのです」
「えっ!?どうして?」
「だって、僭称増上慢が出現した時こそが、広宣流布だと言われて来たじゃないですか。草創から」
「確かに」
「先生の思想から大きく脱線しながら、それでもなお、権勢を謳歌している『四人組』の跋扈こそ、広布到来を告げる“黄金”のラッパと違いますか?」
「ははあ、そういうことですか」
「魔というものは、水面下で徘徊し、なかなか姿を顕さないものですよ。ところが、彼らは、あっけらかんと正体を晒してしまった」
「堂々と振る舞っているようですが、先生の指導、正義の祈りに、炙り出されてしまった、というのが本当でしょう」
「さすが、M木さん、鋭い。今、城者、城を破る人が、御書の通りに出現したことは、まさしく御仏智としか言い様がないじゃないですか。ただし」
「ただし?……」
「ただし、この増上慢を蹴散らさないことには、“黄金”もへったくりもありません」
「そりゃあ、そうです」
「これを突破することこそ、学会の発迹顕本であり、悪と戦い切った人が同じ勝利を満喫出来るものと、私は勝手に思っているんですよ」
「それは、素晴らしい」
「池田先生、池田先生、と口では言いながら、先生の思想と整合性がつかぬことを、素知らぬ顔で進めるなんて、断じて許してはいけませんよ」
「大賛成です」
「その意味では、M木さん、助かりましたね」
「助かった?」
「辞任か、解任か知りませんけれど、現執行部から切り離されたということは、凄い功徳じゃないですか」
「あなたも、そう思いますか?」
「思いますとも。大聖人も佐渡に流されていたお陰で、鎌倉の騒動に巻き込まれず助かったと仰せですよね。M木さんをはじめ、他の除名、解任の方々が大勢いらっしゃるそうですが、皆、悪に染まらないために、今、“島流し”にあっていると思ったら、どうでしょう」
「人のことだと思って、先輩も、よく言いますね。ハ、ハ、ハ」
「でも、そう考えて下さい。情勢が一転すれば、今の“罪人”、将来の“英雄”なんですから」
「さあ、その“情勢の一転”が難しいのではないですか」
「非常に困難なことは分かります。何しろ、相手は全ての権力を握っているんですから」
「そうですね。私も、その立場にいたから、よく分かります。権力というものが、悪のために奉仕するようになったら、それを覆すのは簡単じゃありません」
「それには、題目を上げるしかないと思うのですが、私は、こんなことを考えているんですよ」
「どんな?」                             (つづく)