投稿者:コモンセンス 投稿日:2016年 4月 1日(金)10時55分19秒   通報
「お友達であり、時の政界のトップだったからこそ、将来の“模擬試験”として、岸さんを招いたのではない?」
「むろん、それも、理由の一つだったかも知れません。しかし、戸田先生は、『巌窟王』として岸さんの前に立とうとされていたのではないでしょうか」
「ほお、『巌窟王』ですか?」
「その通りです」
「そうそう、そう言われてみれば、戸田先生が書かれた『人間革命』の主人公は、確か『巌九十翁(がんくつお)』でしたね」
「ええ、戸田先生は、ご自分の人生の最後に、恩師・牧口先生を獄死させた責任を、軍部政府の象徴としてのA級戦犯、岸さんを糾そうとしておられたのではないでしょうか」
「うん、うん。まさに『巌窟王』ですね」
「しかし、いわゆる低次元の“報復”や“仕返し”なんかではないんです。我々は宗教界の王者、あなたは“小島のぬし”に過ぎないのだよ、ということを暗黙のうちに悟らせようとされていたのではないか」
「でも、岸さんは、来なかった」
「M木さん、戸田先生が、どれほど残念がったかが分かりますよね。だから、講演の最後の部分こそ、牧口先生への“仇討ち”だったと、私は読んでいます」
「うん、うん、そうすると、“3・16”の持つ意義は、もっと深くなっていく」
「そうなんですよ。“権力の魔性”と戦う松明が池田先生に託されたのであって、魔と戦うことを忘れたら、“3・16”の意義は喪われてしまうじゃないですか」
「なるほど。でも、お祖父さんはお祖父さん、孫は孫ですから、祖父がA級戦犯だったからと言って、孫までも同罪、と非難することは出来ませんよね」
「その通りです。ただ、問題は、そこなんです。M木さん」    (つづく)