投稿者:信濃町の人びと 投稿日:2016年 2月 6日(土)17時25分37秒   通報

■境涯を広げよ、そのために人間関係を広げよ

ある人が言っていた。「組織が整うと幹部が小粒になる」と。たしかに、そうかもしれない。それを打ち破るために、私は「手づくりで」人材を育てている。

「境涯を広げる」には、どうすればいいか。それには「人間関係を広げる」ことである。

ゆえに、幹部一人一人は「人間と結合する」ことである。会員とつながり、人間とつながってこそ本当の幹部である。

一人で、いばっている。一人で号令をかけている。そんな格好が幹部なのではない。

また、組織を嫌い、だんだん閉鎖的になり、一人になり、それで自由だと思っている――こういう人は、どこか調子が狂ってくる場合が多い。

先日もあるテレビで「たくさん友人をつくれ。その人がいちばん成長でき、社会のためになり、よき人生になる」と紹介されていた。

大事なのは「人間と人間のつながり」である。「人間と人間の打ち合い」である。内外の多くの人々と結び合い、つき合っていくことである。その人は、その分だけ生命が広がる。豊かな人生になる。

トルストイは、臨終の間際に、かわいがっていた末の娘をそばに呼び、遺言を伝えた。

その要点の一つは「生命は他の生命と多く結びつくほど、自我が拡大する」ということであった。これを忘れてはいけないと言い残したのである。

私どもで言えば、対話であり、弘教であり、広宣流布である。

トルストイといえば、かつてモスクワで資料館を訪れた。

トルストイは権力からは弾圧された。政府も教会も彼を憎んだ。しかし、労働者も炭坑夫も、民衆は皆、彼の味方であった。資料館には、彼を支持する労働者たちから贈られた記念の品(緑色のガラスのかたまり)が飾られていた。

私は感動した。上からの勲章ではない。下からの、民衆からの勲章である。

私は思う。本来ならば、皆さまのような「民衆の英雄」にこそ、最も偉大な勲章がささげられるべきではないだろうか。(拍手)

池田大作全集スピーチ88巻
第13回本部幹部会 (1997年7月9日)