投稿者:信濃町の人びと 投稿日:2016年 2月 4日(木)12時12分35秒 編集済

うららさんの言われていた池田先生のご指導です。

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フランスの歴史家ミシュレは、青年に、こう呼びかけた。

「気取らずに行動しなさい。人間として人間たちに話しかけなさい」(『学生よ』大野一道訳、藤原書店)

ミシュレについては、これまで、何度かスピーチしてきた。ユゴーと並び称される大作家であり、十九世紀のフランス国民に最も愛された歴史家、と言われる。

一七九八年、パリの貧しい印刷業者の家に生まれる。革命後の動乱のなかで育ち、家業を助けながら、苦学を重ねた。後に、コレージュ・ド・フランス(パリ高等教育機関)の教授に就任する。

ミシュレは、″権力者中心の歴史″ではなく、″民衆を主役とした歴史観″を確立した。庶民の出身であることを誇りとし、民衆の権利と正義を叫びぬいた。

仏教についても学び、あらゆる人間の平等を宣言した釈尊について、共感をこめてつづり残している。

一八五二年に独裁権力の座についたナポレオン三世と対立。各地を転々として、不遇ななかでも、断じて、不屈の執筆活動を続けていった。著作は『フランス革命史』『民衆』『女性』など多数。一八七四年に逝去した。

次にフランスの思想家ルソーの言葉を紹介したい。

「つねに真実であれ、そのためにどんなことが起ころうとも。正義そのものが真実のうちにあるのだ」(『孤独な散歩者の夢想』今野一道訳、岩波書店)

真実に立つ人は強い。虚偽でごまかそうとする人は、どこか不安で、おびえているものだ。

真実の人は、正義の人である。「正義に恐れなし」である。

「自分の側に正義があると感ずる人は無遠慮にふるまわなければならない。いんぎんな正義になど、なんの意味もありはしないのだ」
(「箴言と省察」岩崎英二郎・関楠生訳、『ゲーテ全集』13所収、潮出版社)

これは、イタリアをこよなく愛した文豪ゲーテの言葉である。

イタリアからも同志を迎えている。本当に、ご苦労さま!

「邪悪とは、断固、戦え! 一歩も退いてはならんぞ。追撃の手をゆるめるな!」

こう戸田先生が遺言なされたのは、四十五年前の三月二十九日のことであった。

池田大作全集スピーチ94巻より
海外代表協議会 (2003年3月28日)