2016年1月11日 投稿者:大仏のグリグリのとこ 投稿日:2016年 1月11日(月)14時22分42秒 通報 日蓮大聖人の教相判釈で、後に「五重の相対」と呼ばれる法理がありますが、 これは“人本尊開顕の書”である開目抄の前半で詳細に述べられています。 この相対論の思想は仏教の伝統的思想で、大聖人は伝教の著作・法華秀句の 「浅きは易く深きは難しとは釈迦の所判なり。浅きを去つて深きに就くは丈夫の心なり」(三一〇頁)の文を引き、 一代聖教を浅い哲理より深い哲理へと順次に相対させて、思想上の価値判定を繰り返し、 より求心的に最高究極の哲理を求め、何が釈尊の真実なのかを洞察していきました。 五重の相対とは“五義(教・機・時・国・教法流布の先後)”の「教」を知るための規範であり、 その教えの高低・浅深・優劣を決定する教判 (宗教批判の原理)の一つです。 大聖人は開目抄のなかでこの五重の相対を用いて 「一念三千の法門(三大秘法の南無妙法蓮華経)」こそが末法の衆生を救済する最高の教えであると明かされました。 大石寺・日寛も六巻抄(三重秘伝抄)のなかで“五重の相対”のうち「権実・本迹・種脱」相対の“三重”は、 日興門流のみに伝わる秘伝であると称して詳細に検証しています。 三重秘伝とは一念三千の法門が三重の段階で明らかにされることを示したものです。 そして末法に弘められる「教」は文底秘沈の“事の一念三千”であることを論証しました。 この日寛の出現によって後世の弟子「牧口先生・戸田先生」は、五(五老僧)・一(日興)を相対して 日興門流富士大石寺を選び取り、大聖人の命脈を継承していくのですが、これは後に述べていきたいと思います。 Tweet