投稿者:まなこ 投稿日:2015年10月27日(火)06時32分53秒   通報
§妙音菩薩品§
社会に「希望」の大音声を!!
■ 「妙音」とは、妙法根本の大文化運動

名誉会長: 「シルクロードの法華経」を見た。
経文が喜んでいた。光っていた。笑っていた。幸せそうだった。
今から千二、三百年前の「サンスクリット語の法華経」です。

斉藤: ペトロフスキー(ロシアのカシュガル総領事)がもたらした「ホータン出土の写本」(七~八世紀)ですね。

遠藤: 「法華経とシルクロード」展には私も感動しました。
(同展は東京・戸田記念国際会館で、11月9日から30日まで開催。名誉会長は開催に先立って、八日、訪問した)

名誉会長: ヴオロビヨヴァ博士が、「この写本はホータンで書写されたもので、親戚を弔うために、ある人物が依頼したのです。奥付に、その人の名前も残っています」と語っておられた。
人の”後生善処”を祈る”心″がこもった写本です。
文字は文字であって、それ以上のものです。“魂”です。“心”がこもっている。日蓮大聖人は「文字は是一切の心法の顕れたる質なり」(御書 p380)と仰せだ。

須田: 文字という“色法”に、目に見えない“心法”が顕れている。それを、どこまで、くみとれるか —- 。

名誉会長: いわんや「法華経の文字」です。
大宇宙の根源で「渦」を巻き、「波」をうっている大生命力のリズムを写しとった表現です。
このことを私が言うと、マルガリータさん(ヴォロビヨヴア博士)は「私たちも、写本と触れ合って、生命力をもらうことができます」と言われていた。

斉藤: 「写本が喜んでいるのは、池田先生の大いなる人格に包まれて、安心したのでしよう」とも言われていましたね。
■ 明るいから“民衆の心”をつかんだ

名誉会長: 四十年以上も、こつこつと古文書を、なかんずく法華経を研究してこられた大学者です。ご主人は二十八歳の若さで亡くなった。幼い一人息子を遺して —- 。
ご主人は、将来を嘱望されていた言語学者でした。最愛の人を亡くしたマルガリータさんは、以来、子どもを育てながら、研究ひと筋に生きてこられた。お子さんは立派に育って、化学の博士になられたという。「冬は必ず春となる」という御聖訓を思い起こさせる人生です。
「法華経とシルクロード展」でお会いして、ますますお元気そうで、うれしかった。「法華経には『不老不死』と説かれています。年を重ねても、いよいよ若くなつていくのが法華経の人生です」。そう言うと、にっこり笑つて「仏の力によって、私たち皆が不老不死をわかるようになりたいですね」と言われた。
私は答えました。「それが本当の世界平和です。法華経こそ“人類の大いなる平和の波”です」。
チェリストのパブロ・カザルスは言った。「仕事と価値あることにたいする興味は、不老長寿のいちばんの薬だ。毎日私は新しく生まれる。毎日私はゼロから始める」(『鳥の歌』池田香代子訳、筑摩書房)。
同時期に、来日されたペトロシャン博士(ロシア科学アカデミー.サンクトペテルブルク学術センター副総裁も、クチャーノフ博士(同アカデミー東洋学研究所所長)も、マルガリータさんと三人で一緒に、四十年間、いな五十年近く、ひたすら文化のために生きてこられた。名声も、富も求めず。言うに言われぬ苦しみを乗り越えて —- 。
なんとと尊い人生か。ともかく、すごい展示会を実現してくださつた。

遠藤: 海外初公開。ロシアでも、これほどい一挙には見られない“文化の宝”です。
〈同展は「ロシア科学アカデミー東洋学研究所(サンクトペテルブルク)」所蔵の貴重な写本・木版本など四十七件を世界初公開したもので、名誉会長が創立した東洋哲学研究所が共催〉

斉藤: 訪れた専門家も感激していましたね。これまで写真でしか見られなかった“本物”が目の前にある。
モントリオール大学のルブラン博士(東アジア研究所前所長)は、言われていました。 「ここまで多くの翻訳された法華経を見るのは初めてです。大変に感銘しました。一つの経典がここまで多くの言語に訳されている事実は、仏教が数多くの民族、民衆に訴えかける力があることを物語っています」と。

名誉会長: たしか、法華経は東方の七つの言語に翻訳されたものが知られている。そのうち五言語の写本が展示されていたね。

須田: はい。サンスクリット語、古ウイグル語、西夏語、ホータン・サカ語、中国語(漢訳)の五つです。

遠藤: クチヤーノフ博士は西夏語文献の専門家ですが「西夏語が(十一世紀に)できて、最初に翻訳された仏典が法華経です」と言われていました。

名誉会長: それだけ、法華経は「民衆の心」をつかんでいた。その理由は、もちろん、さまぎまに論じられるだろうが、簡単に言うと、法華経が「明るい」経典だからではないだろうか。
どんな人にも、分けへだてなく「希望」を与える経典です。“太陽”の温かさ、明るさがある。そして、もうひとつ、表現が「美しい」。芸術的です。“蓮華”が花開き、香りゆく美しさがある。心を奪う楽しさがある。
明るいところ、楽しいところに、人は集うものです。