投稿者:ダメよ~ダメダメ   投稿日:2015年 9月 2日(水)17時59分50秒     通報
今回の安保法案の賛否をめぐり会内でも様々な意見があるのは周知の事実です。

しかし様々な意見があると言うだけで議論は無い。というかさせないのが現状ではと思います。

安保肯定の会員さんは、中身、内容の是非ではなく「同志だから」「公明党を信じてる」

で済ませてしまう傾向があるように思われます。

又、先生の小説「新人間革命」第一巻新世界の章を引用され肯定されている方々もおみえになる

との事。

小説 新人間革命第一巻 新世界の章は「訪問地のサンフランシスコは日本の講和条約と日米安全保障条約の調印の地。伸一は、その地で、世界の冷戦と新安保条約をめぐり混乱する国会に思いをはせる。サンフランシスコ、ネバダに地区を結成し、やがてアメリカの同志の誓いとなる3指針を提案する。」の内容。

該当の箇所はP99~P101の日本での男子部の代表との懇談会での「新安保条約」の是非の問題に関する山本伸一会長の見解を描写した箇所です。

『新・人間革命』第1巻

新世界 十二

「自民党が新安保条約を強行採決した日から、国会周辺は、連日、万を超えるデモで埋まった。
文化人のデモもあれば、婦人たちの提灯デモもあった。それは反安保の運動の広がりを示していた。
この安保問題は、当然のことながら、学会の青年たちの間でも、大きな関心事となっていた。
五月下旬のある日、山本伸一は、男子部の代表と懇談した。その折、一人の青年が尋ねた。
「新安保条約は、今、大きな問題となっておりますが、この際、学会としても統一見解を出すべきではないかと思いますが?」
青年会長・山本伸一は、笑みをたたえて言った。
「それで、君は安保に対して、反対なの、それとも賛成なのか?」
「私は断固反対です。安保は廃棄し、中立の立場に立つべきだと思います」
すると、別の青年が発言した。
「私は、全面的に賛成とはいいかねますが、今のところ、やむを得ないと思います。日本は、アメリカの協力なくしては、軍事的にも、経済的にも、独り立ちはできない状況です。
今、安保を廃棄したりすれば、日本はアメリカを敵に回すことになります。したがって、安保を今の段階で廃棄せよというのは、現実を無視した意見です」
ほかの青年たちも意見を述べたが、主張は二つにわかれた。
伸一は、彼らを包むように見回すと、にこやかに語り始めた。
「青年部の君たちの間でも、これだけ意見が食い違う。一口に学会員といっても、安保に対する考え方はさまざまだよ。反対も賛成もいる。そして、どちらの選択にも一長一短がある。
それを、学会としてこうすべきだとは言えません。私はできる限り、みんなの意見を尊重したいのです。大聖人の御書に、安保について説かれているわけではないから、学会にも、いろいろな考えがあってよいのではないだろうか。
政治と宗教は次元が違います。宗教の第一の使命は、いっさいの基盤となる、人間の生命の開拓にある。宗教団体である学会が、政治上の一つ一つの問題について見解を出すのではなく、学会推薦の参議院議員がいるのだから、その同志を信頼し、どうするかは任せたいと思う。
ただし、政治上の問題であっても、これを許せば、間違いなく民衆が不幸になる、人類の平和が破壊されてしまうといった根源の問題であれば、私も発言します。いや、先頭に立って戦います」
青年たちの目が光った。」

実はこの後に先生の真意がある事に気付かなければならないと考えます。でなければ切り文になってしまい先生の意図する事が違った形になってしまうと考えます。

この後に展開されるのは、一連の安保反対運動の抗議の為のデモ等でのトラブル、事件に触れられています。

そして、『「六〇年安保」の運動のなかで、最も悲しく痛ましい、歴史の一ページが刻まれた』との書き出しで、全学連主流派のデモ隊と警官隊との衝突で亡くなられた一人の女子大学生の事を綴られる。これが有名な東大文学部学生・樺美智子さんの事であります。

そして「伸一は、沈痛な重いのなかで、彼女の死に報いるためにも、真実の民主と平和の時代を創りあげねばならないと決意した。」(同P103)とあります。

これがこの章のホシの一つと感じました。

どう考えても、先生の思想に流れる「真実の民主と平和の時代」を創るのが今回の安保法案とは丸っきり正反対であり、違うのではと思います。そして先生の思想とは絶対に違う、おかしいと思われた方々が今、勇気を奮い起こし、声を挙げ、行動されているのだと考えます。

切り文で誤読されない為にも、どうか新人間革命 第一巻 新世界の章P79~P106を再読される事をお薦めします。