投稿者:信濃町の人びと   投稿日:2015年 5月11日(月)13時12分59秒     通報
池田大作全集80巻より
全国青年部幹部会、新宿・港合同総会
(1992年1月15日)①

青年の集い、新成人を祝う

「若き求道者」たる全国の青年部の皆さん、そして本日晴れて「成人の日」を迎えられた皆さん、おめでとう!
また、きょうは「新宿の日」でもある。東京一を誇る本陣の皆さま、おめでとう。私も″新宿の一員″として、今後も全力で応援したい。そして港区も、新宿に追い付くような勢いで発展しており、晴れの合同総会を心から祝福したい。

さらに東北の岩手からも代表がこの会場に集われた。遠いところ、ようこそ!
また地元では、岩手文化会館をはじめ十一会館にも多くのメンバーが参加されており、寒いなか本当にご苦労さまです。岩手、万歳!

また、この会場には海外十二カ国・地域の友、沖縄研修道場にはアジアの代表が集われており、心から歓迎申し上げたい。

さらに関西文化会館には、世界的ジャズ・ミュージシャンでギタリストのラリー・コリエルさん、ドラマーのケンウッド・デナードさん、クリスチーヌ・カンダースさんが参加されている。

この三人の方々は昨日、関西創価学園ならびに関西創価小学校を訪問され、コリエルさんとデナードさんが素晴らしいジャズ演奏をプレゼントしてくださった。世界的音楽家が生演奏
──こんな素晴らしい学校はないと、学園生から喜びの声が、さっそく寄せられている。創立者として、心からお礼申し上げたい。サンキュー・ベリー・マッチ!

コリエルさんは、一九八六年(昭和六十一年)に名古屋、翌八七年(同六十二年)に北九州で行われた「世界青年平和文化祭」に、ハービー・ハンコック、大野俊三、ウエイン・ショーター、バスター・ウィリアムスの各氏らとともにバンド「スーパーサウンズ」を組んで名演奏をしてくださった。ジャズ・ギタリストとして世界で活躍するスーパー・スターである。

またデナードさんは、両耳が 難聴なんちょう というハンディをもちながらも、他の演奏者の動きを見ながら、息の合った演奏ができる素晴らしいドラマーである。こうした世界のスターたちの来訪を歓迎し、全国の皆さまに紹介させていただく。

世界は精神性の光を求める

本日は、大切な後継の諸君の集いである。私は、本年の諸君の活躍を信じる。ゆえに、諸君への強き期待を込めて、きょうも語っておきたい。

アメリカのハーバード大学での私の講演
(昨年九月二十六日、テーマは「ソフト・パワーの時代と哲学──新たな日米関係を開くために」)
に参加された、同大学のハービー・コックス教授から、先日もお手紙をいただいた。

コックス教授は、世界最高峰のハーバード大学の中でも宗教学研究の第一人者として知られる。
アメリカを代表する世界的学者である。
教授は私の講演に深く賛同してくださり、これまでも共感の声を寄せてくださっている。諸君の何らかの糧になればと思い、世界の知性の言葉をそのまま紹介させていただきたい。

教授は、私が講演の中で、十九世紀のフランスの歴史家・トクヴィルによるアメリカの民主精神の分析に言及したことを評価され、このようにつづっておられる。
「この講演は、私自身に次のような 真摯しんし な反省を起こさせることになりました。
それは、もしトクヴィルが一九九二年のアメリカを再び訪れたならば、彼は現在のアメリカに(十九世紀のアメリカと)同様な精神的基礎を見いだしえたであろうか、ということです。

私は、トクヴィルはそれを見いだしえなかったであろうと恐れています。

それに代わって、あの内発的精神への理解をすでに失い、いずれ不幸な結果を直視せざるをえないであろうアメリカを、彼は発見していたかもしれません」──と。

実に真摯な言葉である。一流の人は常に謙虚である。未来を真剣に思う教授の″真情の言葉″に、私は胸を打たれた。

さらに教授は講演について、
「聞きながら、アメリカ人と日本人は、語り合うべき多くをもち、深いレベルで分かち合うべき多くをもっていると感じました」。

「今日、アメリカ人も日本人も、それぞれの歴史的経過の中で、重大なる 岐路きろ に 辿たど り着いたように思われます。両国ともに、精神的よりどころを 蘇生そせい させる必要に迫られています。それなしでは方向性を失ってしまいます。

恐らく、いまだかつてなかったほどに、今、私たち(アメリカ人と日本人)はお互いを必要としています。

私たちは共通の特徴をもっています。両国とも経済的に強力です。そして精神的危機に直面しています」と。

そして教授は、日米両国の精神の復興のために、私に対し「深い友情に基づく末永き対話を希望します」と結ばれていた。
私も、まったく同じ思いである。

私がこれまでお会いしてきた各国、各界のリーダーの多くが、
「現代を正しく導いていける精神的リーダーシップ」の必要性を語り、訴えておられた。

そして、「その意味で、仏法の英知を基盤として、世界に深い精神性の光を広げているSGI(創価学会インタナショナル)に期待する」
との熱い心のメッセージを多くいただいた。

今月、日米首脳による両国の新時代への宣言が華々しく報道された。

確かに政治や経済の面でのパートナーシップは重要である。そのうえで、日米関係を含め、より深い次元で人類の未来にとって大切なものは何か──。
それは、こうした各界の指導者の声が示すように、「精神性の復興」である。

今、私どもが進めている「精神の交流」「哲学の対話」こそ、時代を先取りした先駆の行動であり、世界の知性が期待する大事業である。

激動の時代である。一面、人類の危機ともいえる。この変化を、どの方向にリードしていくか。
学会の使命は、ますます世界の命運を決するものになっている。

後継の諸君、どうか未来を頼みます!