投稿者:信濃町の人びと   投稿日:2015年 4月 9日(木)12時40分9秒     通報
小説『人間革命』一念 より
後の話になるが、戸田が深く尊敬していた、法主の堀米日淳は、戸田が逝去して二カ月後に行われた九州第二回総会での講演で、牧口常三郎の尊い生涯に触れてから、師弟について次のように語っている。

「戸田先生はどうかと申しますと私の見まするところでは、師弟の道に徹底されておられ、師匠と弟子ということの関係が、戸田先生の人生観の規範をなしてており、このところを徹底されて、あの深い仏の道を獲得されたのでございます」
日淳は、師弟の関係によって仏道を得ていくというのが、法華経の要であることを指摘して話を続けた。

「創価学会が何がその信仰の基盤をなすかといいますと、この師匠と弟子という関係において、この関係をはっきりと確認し、そこから信仰を掘り下げていく、これがいちばん肝心なことだと思う。今日の創価学会の強い信仰は一切そこから出てくる。
戸田先生が教えられたことはこれが要であろうと思っております。

師を信じ、弟子を導く、この関係、これに徹すれば、ここに仏法を得ることは間違いないのであります」
日淳は、法華経神力品の「是人於仏道 決定無有疑(是の人は仏道に於いて決定して疑い有るとと無けん)」(法華経五七六ページ)を引き、師弟の道に徹して、「決定無有疑」の境地に到達するという実践をしたのが、戸田であると強調した。

「戸田先生ほど初代会長牧口先生のことを考えられたお方はないと思います。親にも増して初代会長に随って来られました」と、牧口に随順した戸田の生き方を感慨深げに述べた日淳は、最後に「この初代会長、二代会長を経まして、皆様方の信仰の在り方、また今後の進み方の一切が出来上がっているわけです」と結んでいる。

まさしく、創価学会の実践的生命は、師弟不二にある。師弟不二の道は、一念における荘厳な不二にあるといわなければならない。