投稿者:信濃町の人びと   投稿日:2015年 3月25日(水)13時34分43秒     通報
小説「新・人間革命」 第25巻「福光」より抜粋

福光(47)

三月十二日の夜には、壮年、婦人の代表が参加して、第二回となる福島文化会館の開館記念勤行会が行われた。

この席上、山本伸一は、「福島県は、その独自性を生かしながら、新しい広宣流布の模範の地域にしていっていただきたい」と要望したあと、会長としての自分の心境と決意を語った。
「私は、会長に就任してから今日まで、本当に、心から安堵した日はありません。

″全学会員が幸せになる前に、自分が、晴れ晴れとした気持ちになることは間違いである。指導者として失格である″と、心に決めているからであります。

また、『横柄な態度を取る幹部がいて、会員の皆さんが困っている』などと聞くと、身を切られるように辛いんです。

″会員の皆さんが幸せになり、福運にあふれた、楽しい人生を歩んでいかなければ、なんのための会長か!″と、常に、自分に言い聞かせています。

皆さんが、″信心してよかった!″″学会員でよかった!″″こんなに幸せになりました!″と、心から言えるようにならなければ申し訳ないとの思いで、私は、福島に来ているんです。実は、これが、創価学会の会長の精神なんです」
さらに、彼は、学会活動の意義に言及していった。

「日蓮大聖人の仰せのままに、広宣流布を推進している、地涌の菩薩の集いが創価学会であります。ゆえに、学会活動以外に、現代における仏道修行はありません。

学会活動は、人びとに絶対的幸福への道を教え、人間の生命を変革し、社会の繁栄を築き、世界の平和を実現していく、唯一の直道です。それは、地味で、目立たぬ作業でありますが、仏の使いとしての行動であり、地涌の菩薩の聖業です。なればこそ、真剣に学会活動に励むならば、仏、菩薩の大生命が涌現し、自身の生命は浄化され、歓喜、福運に包まれていくんです」

福光(48)

草創期、多くの同志は、病苦や経済苦など、さまざまな悩みをかかえながらも、はつらつと広宣流布に東奔西走してきた。

それは、学会活動をしていくなかで、わが生命に脈動する歓喜を実感していたからである。そして、大地に向かって放たれた矢が、必ず地に当たるように、絶対に幸せになれるとの、強い確信があったからだ。

山本伸一は、参加者に視線をめぐらし、話を続けた。
「時には、学会活動のなかで、いやなことや辛いことに直面する場合もあるでしょう。組織での人間関係で悩むこともあるかもしれない。また、学会への誤解、無理解から、非難、中傷されることもあるでしょう。

大聖人は、『修行の枝をきられ・まげられん事疑なかるべし』と仰せです。一生成仏を成し遂げ、広宣流布という大願を成就していくための仏道修行なんですから、大変なのはあたりまえです。

それを乗り越えることで、自分が磨かれ、強くなり、宿命の転換がなされていくんです。『大難来りなば強盛の信心 弥弥いよいよ 悦びをなすべし』との御聖訓を深く心に刻んで、喜び勇んで難に立ち向かう、強盛な信心の皆さんであってください」