投稿者:河内平野  投稿日:2014年12月 1日(月)09時19分49秒    通報
「人間」を軽蔑する人は、みずからが冷血の「ロボット」になる。
人の「人間性」を破壊する者は、みずからの「人間性」をこそ破壊している。

法華経勧持品には、そのような人間の姿が詳細に描きだされている。
「或は阿練若に 納衣にして空閑に在って 自ら真の道を行ずと謂いて 人間を軽賤する者有らん」(開結四四一頁)
――あるいは、寂静処(静かな場所)で、法衣を着け、俗世を離れて、みずから真の道を行じていると思って、人間を軽んじ、いやしめる者がいるであろう――。

これは法華経の行者を迫害する敵人(三類の強敵)のうち、もっとも悪質な「僭聖増上慢」の姿である。

つまり、《聖僧》の名を盗んで、その資格もないのに偽って名乗り(僭聖)、大衆を離れて人間を見おろしながら、しかも「真の仏道を行ず」と称する――。

そういう存在が、法華経の実践者の最大の敵として現れてくるとの予言である。

これが現れなければ、真の法華経の行者ではない、というのである。
勧持品では、彼らの実態を、さらに、こう描写し、予言している。
「利養に貪著するが故に 白衣の与に法を説いて 世に恭敬せらることを為ること 六通の羅漢の如くならん 是の人悪心を懐き 常に世俗の事を念い 名を阿練若に仮って 好んで我等が過を出さん 而も是の如き言を作さん 此の諸の比丘等は 利養を貪るを為っての故に 外道の論議を説く 自ら此の経典を作って 世間の人を誑惑す 名聞を求むるを為っての故に 分別して是の経を説くと 常に大衆の中に在って 我等を毀らんと欲するが故に 国王大臣 婆羅門居士 及び余の比丘衆に向って 誹謗して我が悪を説いて 是れ邪見の人 外道の論議を説くと謂わん 我等仏を敬うが故に 悉く是の諸悪を忍ばん」(開結四四一頁)

――この悪僧らは自己の利益を貪り、執着し、そのために在家に法を説いて、世間から尊敬されることは、六種の神通力を備えた聖者のようであろう。この人は悪心を胸にいだき、つねに世俗のことを思いめぐらし、静かなところにいる外見を示しながら、好んでわれら法華経の行者の悪口を言うのであろう。
しかも次のように言うであろう。「このもろもろの僧など(法華経の行者)は、わが身の利益を貪るゆえに、仏教ではない外道の教えを説く。勝手に、この経典(法華経)をでっち上げて世間の人々をだまし、惑わす。法華経の行者たちは名聞(名声)が欲しいために、さがしらな知恵を出して、この経(法華経)を説くのだ」と。

【第一回SGI世界青年部幹部会 平成三年七月十日(全集七十七巻)】