投稿者:寝たきりオジサン 投稿日:2017年 1月 6日(金)18時18分58秒   通報
教員採用試験5回目で合格、
少年サッカーチームの監督でも奮戦
(奈良県・地区部長、教育部員50A・K宏さん)
(聖教2008/8/5)

8月2日に開幕した第第32回「全日本少年サッカー大会」。A・K宏さん(地区
部長、教育部員50)が監督を務める奈良県代表「スクデットFC(フットボール
クラブ)」は、上位進出を目指し、熱戦を繰り広げている。A・K宏さんは現
在、市内の小学校で教務主任を務める一方、サッカー・陸上クラブを運営する
NPO(民間非営利団体)法人「SSP」の理事長として奔走している。
●少年サッカーチーム――子どもたちの心に響く教育を

教員4年目のころだった。〝子どもたちの心に響く教育をしたい″と祈る中、
一つのアイデアが浮かんだ。少年サッカーチームの結成だった。

皆で励まし合い、苦しい練習に耐え、勝利を目指す――通常の学校生活では得
がたい経験が、子どもたちの心身の成長につながる、とAさんは思った。

ほかの教員から「決められた取り組みから逸脱してる」といった冷ややかな意
見も出たが、Aさんの決意は揺るがなかった。周囲に迷惑は掛けない。子ども
たちの可能性を開くためなら、何だってしてあげたいという、燃え上がる一念
があふれていた。

1987年(昭和62年)、たった一人で、スポーツ少年団としてサッカーチームを立
ち上げた。80人の児童が集まった。チームの運営に率先して協力してくれる保
護者の姿に涙した。

休日も返上してサッカー指導に打ち込むAさんの姿に、教員の間にも応援の輸
が広がっていった。

サッカー経験のなかったAさんは、指導力を付けるため、日本サッカー協会が
主催する講習会に積極的に参加した。頻繁に〝サッカー王国″静岡を訪れた。
強豪高校の名うての指導者を訪れ、頭を下げた。試合では当初、大差で負けて
いたが、Aさんの地道な研究と情熱の指導で、名門クラブと互角に渡り合える
チームに成長した。

「技術的な指導はもちろんですが、大事なのは、〝あきらめない心″を培(つ
ちか)うこと。それを意識し始めてから、チームは不思議と強くなっていった
んです」
●信心に真っすぐな父や母の生き方を、受け継ぐ時が来たんや

中学1年生の時に、クラスの男子生徒から受けたいじめは、Aさんの純粋な心
に影を落とした。〝自分を守れるものは、結局、自分の腕力しかないんや″

高校に進学すると、暴走族に加わり、生活は荒れた。腫れ物に触るような周囲
の応対ぶりの中で、学生部の先輩は違った。どんなに悪びれても、何度も訪れ
ては訴えた。「大学へ行こう!」

Aさんは1歳の時に家族と入会した。未来部時代、信心には無関心だったが、
胸中には、草創の奈良広布に駆ける両親の姿が、しっかりと焼き付いていた。

「先輩と接しているうちに、信心に真っすぐな父や母の生き方を、受け継ぐ時
が来たんやな、と思うようになったんです」

大学進学を決意したが、目も当てられない成績だった。が、先輩は言ってくれ
た。「あきらめたらあかん。必ず道は開ける!」その言葉を信じ、慣れない
勉強に精を出し、夜間の短期大学に合格した。
●「人間革命」読んで教員を目指す、5回目で採用試験合格

20歳を過ぎると、将来について真剣に考えた。〝自分を叱咤激励してくれた方
に恩返しをするためにも、人の役に立つ仕事を!″

その答えを求めて、自宅にあった小説『人間革命』を読み始めた。その時、若
き戸田第2代会長が開いた私塾「時習学館」のことを初めて知った。

〝勉強が苦手な生徒も、必ずできるようにしてみせる″との信念で、子どもた
ちを教える会長の烈々たる情熱に感動した。〝教育こそ、みんなの役に立つ仕
事や!″選んだ道は、小学校の教師だった。

教員免許を取得するため、別の大学の通信講座を受講。昼はトラックの運転手
、夜は授業、学会活動へ。多忙な合間を縫って、受験勉強に取り組んだ。

初めて迎えた採用試験。全く歯が立たなかった。3回目も4回目も不合格。競争
倍率も上がっていた。しかし、Aさんは決して、あきらめなかった。自ら決め
た人生の目標。〝絶対に合格する!〝。

祈りは真剣さを増し、自身の弘教も7世帯を数えた。5回目の挑戦で、ついに試
験に合格。晴れて小学校の教員になった。
●あきらめない心、負けない心で、強くなる!

1986年、池田名誉会長が出席した記念勤行会では、「創価教育栄光賞」を贈ら
れる。自らの使命の大きさを深く自覚したAさんは、毎日、子どもたち一人一
人の成長を祈り、教壇に立った。

サッカーチームは、子どもたちを思う、そうしたAさんの真剣な一念から生ま
れたのだ。

7年前、運営方針等を巡り、チームが分裂してしまう苦境も経験した。その時
、Aさんのもとに残った子どもたちは13人だった。皆の暗く沈んだ表情は忘れ
られない。

〝子どもたちを悲しませたら絶対あかん。もう一度、みんなが伸び伸びとサッ
カーに打ち込める環境をつくろう″

その後、2005年にNPO法人を設立し、新生「スクデットFC」がスタートし
た。Aさんを中心に10人のスタッフが団結して、中学3年生以下の180人を指導
する。

本年度の少年トップチームは、主要大会で好成績を残し、6月に行われた県少
年サッカー大会で初優勝。全国大会への切符を手にしたのである。

厳しい練習を終えると、グラウンドで一列に並んだ選手に向かって、キャプテ
ン、副キャプテンが、「強くなる!」と5回、大きく叫ぶ。恒例になっている
という。

「私の提案で始めました。そう決意する心こそが、〝あきらめない心″〝負け
ない心″をはぐくんでいくと思うんです。それは〝創価魂″ですよね!」